病気で倒れ、夢うつつの中に浮かぶ幻想の情景、その後夫に看病されて病床の中でつづる「楽しみの日々」(大庭みな子、講談社)
こんにちは、ゆきばあです。毎日ブログを更新しています。

『楽しみの日々』(大庭みな子 講談社)
30年ほど前の7月13日の朝に倒れ、そのまま意識を失ってしまった作者。
夢うつつの中で、さまざまな人の声を聞く。
名前は、歳は、いまどこにいますか・・・。亡き父や母の声を聴いたように思うがそれは、医師や看護婦の心配して尋ねる声だった。
半分夢のような中で見る幻想の世界が美しい詩の言葉でつづられている。
夕暮れのアラスカの浜辺に海鳥が鳴き夕日を背に老女が立っている。
「海に出て戻らなかった息子が言い残したんです。夕方あんな雲が出たら、次の朝僕は必ずお母さんのところに帰ってきます」
作家というのは、そんな状態の中でも、頭の中にこんな美しく哀しい物語ををつくり上げていくものなのだろうかと思う。
やがて、夫に看病してもらう生活に。半分身体は動かせないが、それにより夫も知人も家族もみんな作者を取り巻く人々が、愛しい者として感じられる。そんな病床の中に見た情景が絹織物のように繊細につづられている。
是非読んで見てください。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。ほかにも日々の思いを書いていますので、目を通していただけましたら幸いです。
2026-03-03 by
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