紫の上は不幸だったか幸福だったか。現代感覚で言えば、ロリータ 愛の犠牲者のひとり?
こんにちは、ゆきばあです。毎日ブログを更新しています。
紫の上は不幸だったか幸福だったか。現代感覚で言えば、ロリータ愛の犠牲者?
どんな人生が幸せなんでしょう。こんな年になると、しみじみと考えます。
よく話題にしている「源氏物語」で恐縮なのですが、どなたかが、物語を通して、紫の上ほど不幸な女性はいないと、書いていました。
まだ10歳くらいで、略奪されるようにして、光源氏の邸に連れさられます。そして、源氏によって理想の女性になるように育てられます。考えて見れば酷く恐ろしいことで、現代なら犯罪です。
けれど、その罪というものは、作品の中では無にされています。当時の価値観では、みなしご(父はおりましたが)の姫が上位の身分の貴公子に連れ去られるのは、それほど悪いことじゃない。どうもそんな考えがあるように感じます。
姫を略奪した昔男
皆さん、ご存じのように、「昔男ありけり」の昔男も、高貴な姫をさらい背中に背負って逃げます。川にさしかかると植物の水滴がきらきら光るのを見て、姫は男にききます。
「あれは何?」と。
まるでカマトトですが、男にはそんな深窓の令嬢である姫が可愛くてならないのです。
最後に、姫はやってきた鬼に食われてしまう、という残酷物語ですが・・・。
ロリータ 愛の犠牲者たち
紫の上と共通しているのは、さらわれる少女のイメージです。無知であどけない深窓の姫、しかもすでに自分しか頼る者がいない。
きっと源氏もですが当時の読者も、こんなはかない境遇の姫君に、夢中になってしまったのでしょう。
何かと共通しています。それは、ウラジミール・ナボコフの「ロリータ」、少女に心惹かれる男の悲劇の愛の物語です。1958年アメリカで発行されましたが、その後、すぐに各国で不道徳であるとして発禁処分になりました。
一番不幸なのは紫の上?
紫の上について当時の人は、どう思ったのでしょう。
親のいない姫は不安定な身分であり、早く頼れる夫を見つけなければ、物乞いにでもなるしかない。極端ですが、それに近い話も耳にします。
親のいなくなった末摘花の姫君の邸は荒れ放題です。
だいたいは、源氏に略奪されたものの、北の方にまでしてもらって良かったな、という感じなのでしょうか。
どなたかが、「源氏物語」の中で一番不幸な女性は紫の上ではないかと書いています。
それも、もっともですが、紫の上自身にぜひ訊いてみたいものです。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。ほかにも日々の思いを書いていますので、目を通していただけましたら幸いです。
コメントを残す