「炎環」(永井路子)には、姉と妹の関係も興味深く書かれています
こんにちは、ゆきばあです。毎日ブログを更新しています。
毎週「鎌倉殿の13人」を楽しく見ています。とはいっても最近は過酷なシーンも多く、見ていてつらいこともあります。
私が結構というか、かなり気になるのが政子と実衣の間にある微妙な空気感ですね。
少し前には、「(お姉さんは)私が御台所になるのがいやなのでしょう」
と、実衣が叫ぶ場面も。政子がかなりショックを受けてましたね。姉妹で育った方なら二人の微妙な立ち位置のちがい、少し理解できるかも・・・。
同じ素材をあつかった小説「炎環」(永井路子)は、いくつかの短編で構成されています。
その中に「いもうと」という短編があり、興味深く読みました。
姉と妹の微妙な関係
妹の保子(実衣)は、不思議な二重性格的人物として描かれています。
人質の義時が、追っ手によって殺された際、
政子は、義時を慕う大姫にそのことを内緒にしていました。
ところが保子(実衣)は大姫の前で、
「殺されておしまいになったのよ」
「あなたのお父さまに・・・」
「ずたずたに斬りさかれて・・・」
と、うたうように話すのです。本当に不思議な女性です。
そんな中、放送では、全成が捕らえられ、妹の身も危なくなった際、
「私があなたを守ります」
姉は毅然として言いました。
さすが、尼将軍と言われるだけのことはありますね。
けれど、子どもたちをすべて失い、一人の子は孫の手にかかって命をなくすのですから、実はこんな不幸な女性はいなかったのかもしれません。
私は、ずっと政子の行動が理解できませんでした。なぜ、わが子が殺されるのを見過ごすのかと。けれど本当は必死で守ろうとしたのかもしれませんね。
でも、その頃の鎌倉はあまりに猛々しすぎた・・・ということでしょうか。
しっかり者の姉、それを見ている妹
立派すぎる姉と、ついていけない妹。この姉妹の関係は今でもありそうですね。
ご存じのように、保子(実衣)は頼朝と政子の次男(実朝)の乳母になりました。
小説の中で保子は、わざとのように姉の前で赤ん坊をかわいがり、決して姉には抱かせないんですよ。ちょっと、いえ、かなりクセがありすぎですよね。
こうなったのも、ひょっとしたら、姉があまりにしっかりし過ぎていたせいかもしれません。笑
こんな姉妹の関係は、たとえ千年たっても変わらないのかも・・・。
私も姉妹で育ちました。妹です。
実衣をそこまで悪く言えないのも、それが理由かもしれませんね。笑
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。ほかにも「鎌倉殿の13人」について書いていますので、目を通していただけましたら幸いです。
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