坂口安吾の評伝「家康」では、「小心で、驚くたび顔色をかえ」ていたという。ドラマのイメージ通りでびっくり。

左はNHK大河ドラマガイド。右は講談社文芸文庫「桜の森の満開の下」、この中に評伝「家康」も入っています

こんにちは、ゆきばあです。毎日ブログを更新しています。

松本潤さん主演の「どうする家康」ですが.斬新な演出もあって好評のようですね。
ドラマでの最初の元康(家康)の発声が、たしか「もう、いやじゃー」でしたね。
家康のイメージとちがう・・・! 一寸弱虫な家康になっています。何しろ、家来たちにまで、「どうする、どうする」とさんざん責められているのですから。
そして、そこが見所にもなっている今回の「どうする家康」です。

これまで家康といえば、「タヌキオヤジ」「気が長い」「いいとこ取り」みたいなマイナスイメージで語られることが多いですね。
英雄とか、凄烈とか、繊細とか、そういう胸を熱くするような言葉からはほど遠いイメージです。

ところで「桜の森の満開の下」や「夜長姫と耳男」「堕落論」などを書いた破滅型無頼派作家 坂口安吾に「家康」という題名の評伝があります。

その中で安吾は家康のことを、「律儀者で温和な人」と書いています。また、「このままいつ死んでもそれでよし」というハラの据わったところがあったとも。

怖がりで爪をかむクセも

同時に家康は怖がりで、戦の前など恐怖のあまり爪をかむ癖があったそうです。怖がりのところはまさしく、今回のドラマと同じですね。評伝の中で安吾は、
「アメリカの軍事医学によると、爪を噛む癖の男は戦争に出ると恐怖のあまり発狂するのが通例だという」
という例を書いています。

「小心で、驚くたび顔色をかえ」ていたという家康。
まさしくドラマのなかの松潤さん家康そのまま。ひょっとして、脚本の古沢良太氏は、安吾のこの評伝の愛読者なのでは・・・と思ってしまいました。

そして安吾について言えば、本当は、凡庸に見えるものの奥にある凄みを、見つけてみたいと日々思っていたのかもしれません。
そんなわけで、今は弱っちい家康がこれからどう成長していくのか本当に楽しみです。

松潤さんの大きな目の奥に、これからの希望がきらきらと輝いているように思えます。

破滅型の無頼派作家 坂口安吾

写真は執筆中の坂口安吾。この写真を見ていると安吾の無限の凄さを感じます。部屋が散らかって困る、などというたいていの人は、まだまだ修行が足りぬと思ってしまいます(冷汗

今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。ほかにも日々の思いを書いていますので幸いです。


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