「幸村のむすめ」を出版された懐かしい友人。

こんにちは、ゆきばあです。毎日ブログを更新しています。

尊敬する知人の伊藤さんが秋に小説の本を出版された。

幸村のむすめ(幻冬舎)

10年以上前からの知り合いで、お年は80代になられます。

以前から人物の描き方が魅力的で適確、密かに目標にもしていました。才能があり、何より小説がお好きな方です。そして、根気よく日々書き続ける努力を惜しまない、そんな尊敬できる方です。

書き続けて、昨秋出版された大作。

「幸村のむすめ」(幻冬舎)

関ヶ原の戦いでは、家康の陣に迫る真田幸村の勇猛な姿をドラマで記憶されている方も多いと思います。家康危なかったですね。

ところで、幸村の子供たちがその後どうなったかご存じですか。
真田幸村は討ち死にする前日、娘の阿梅らを敵方の将、片倉重綱に託したといいます。今戦っている相手にわが子を託すなんて常識では考えられませんね。よほど重綱を見込んだのでしょうか。

幸村のむすめを連れて片倉重綱が、居城の白石城にもどってくるところから小説は始まります。戦後の領内のでの生活は容易ではありませんでした。
勇猛で美男の領主 重綱、賢い正室、ずんつぁま、阿梅など、さまざまな人の人間もようが白石を舞台に繰り広げられます。

戦では大名や領主たちばかりが注目されますが、その陰には討ち死にしたり、捉えられたり危うく難を逃れたりと、多くの人々の人生がありました。かろうじて生き延びた幸村の子どもたち。また大坂城で亡くなった息子もいて、それぞれの運命に心打たれます。
勝ち戦にしても、戦後の領内運営は決して簡単ではなかったようです。

地元産の和紙を使った織物

興味深いのは領民や領主が協力し、和紙を使って地元産の織物を作っていくところ。
戦後処理プラスまちおこしのような面でも興味深く読ませていただきました。そこにあるのは領民を大切にして領内を豊かに・・・!という今でも通用する発想です。

「どうする家康」でも、今川義元(幻)の口を通して、この思想が家康に伝えられました。
「われらは民に生かされているのじゃ、民に見放されたとき、われらは死ぬ」と。

地元で苦労してつくられた織物は江戸の人々に珍重されました。江戸は早くも活気あるまちになり始めていたようです。このあたりも興味深いです。

豊臣から徳川へ、江戸幕府成立前後の各藩の事情、そして武士や農民、跋扈し始めた商人などさまざまな人の生活に焦点を当てているところも興味深く、作者の視点の温かさを感じました。人々の堅実に生きる姿に感動し、居ずまいを正して読ませていただきました。

今、新しい作品に取りかかられているとのこと。わたしもがんばろう、という気持ちにさせられました。 勇気と感動をくださりありがとうございます。皆さんも、ぜひ読んでみてください。

今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。ほかにも日々の思いを書いていますので、目を通していただけましたら幸いです。

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