きっとだれもが行きたくなる/「最果てアーケード」(小川洋子)。ブックファーストのイチ押し本です

こんにちは、ゆきばあです。毎日ブログを更新しています。
「最果てアーケード」(小川洋子)を読みました。
舞台は街の一画に取り残されたような古びたアーケード街。そこには、古いレースや、義眼、ドアノブ、化石……など、見捨てられたようなものばかりが売られている。
そんなアーケード街で育った少女と、店主たちの不思議な交流の物語です。それぞれの店で売られているものが忘れられたような古びた品々なら、店主、そして訪れる客もまた、不思議な人々ばかり。
冒頭の「衣装係さん」の話も切ない。
ある時、アーケード街の中のレース屋に劇場で衣装係をしていた女性が現れる。彼女は時間をかけてレースを見つくろい大量のレースを購入する。
少女は、重すぎるレースの包みを女性の家まで運んであげることに。その家にあったのは大量の舞台衣裳。ここで「衣装係さん」は、誰も着ることのない衣装をせっせと、心をこめて縫い続けている。
部屋の中にはたくさんのマネキンがいて、それぞれあらぬ方向を見て、舞台衣装を着て立っている。想像するだけで、一寸シュールな光景ですね。
少女は、衣装係さんの家にひんぱんにレースを運び、ある日、小さなレースのシュミーズを着たマネキンに気づく。そしてシュミーズの裾のレースは一部が引きちぎられている。そのわけとは……?
各章が独立した短編のような、連作になっている。そしてどの短編にも、登場人物のひそやかな夢や執着が描かれていて切ない。
小川洋子ワールドというか登場人物たちと一緒に不思議な夢を体験しているような気持になる。まじめ過ぎるほどまじめな人々に向ける、小川洋子さんの視線がまた温かい。アーケード街の古びたお店を一軒一軒訪ね歩きたくなるような小説です。
ぜひ手に取って読んでみてください。
最後まで読んでくださりありがとうございました。ほかにも日々の思いを書いていますので目を通していただけましたら幸いです。

「プロフェッショナル仕事の流儀10」から 。名物編集者 石原正康さんのプロの仕事 
「豊臣兄弟」30回。秀吉、勝家、丹羽長秀、池田恒興の4人で織田家を支えるはずが三法師を手懐け「たよりにしておるぞ、ひでよし」と言わせてしまう、この狡猾・・・ 
「宝暦の色男」と呼ばれた朋誠堂喜三二(尾美としのりさん)。最初に出した洒落本「当世風俗通」は当時、男性のファッション指南書として大人気だったそう 
「檸檬」(れもん) を読み返すと若い頃の心の痛みが甦ってくるような/梶井基次郎は私たちにとって永遠の青年? 
アマゾンプライムで、「教皇選挙」(コンクラーベ)を観ました。塩野七生さんのエッセイの中には、文字通り「根比べ」であると書かれていたような・・・。





コメントを残す