『空中庭園』(角田光代 文藝春秋)。理想の家庭のはずだったこの家は いつからこわれていたのだろう。
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『空中庭園』(角田光代 文藝春秋)
6つの短篇で構成されています。そのなかで、特に表題にもなっている「空中庭園について」。
主人公は、郊外のマンションに家族と住んでいる。けれどここはいつかダンチと呼ばれるようになった。この部分は興味深いところでした。なぜ住まいが「ダンチ」と呼ばれなければならないのか。
主人公は中学生のころイジメにあって、全く学校へ行かなくなった。そしてそうそうに家を出ると適当な人を見つけて結婚。
「結婚して子どもを持つようになると、全力で家庭を守るようになった。」
そして、せっせとベランダを華やかに花で飾る。それは単なるダンチではない、まして嫌いな母の住むしめった家でなく理想の家庭であるはずだった。
そんな理想の家でのモットーは秘密を持たないこと。
しかし、異分子?の家庭教師が入り込んできたのを切っ掛けに、家族はそれぞれ秘密をかかえるようになる。
この家庭は壊れるのか。それとも「理想の家庭」はずっと前から壊れていたのに気づかないだけだったのか。それとも理想の家庭なんてどこにもないのか。結局は母と同じように孤独で湿っぽい家庭をつくっていただけなのか。最後のところ息詰まる描写になっています。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。ほかにも日々の思いを書いていますので、目を通していただけましたら幸いです。
2026-04-09 by
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