若き権力者! 松平定信(井上祐貴さん)の寛政の改革とは・・・? 明誠堂喜三二(尾美としのりさん)や恋川春町(岡山天音さん)の運命も気になります

こんにちは、ゆきばあです。毎日ブログを更新しています。

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今回、いよいよ松平定信(井上祐貴さん)が幕府の中心になり、田沼意次(渡辺謙さん)が失脚しますね。寂しさや、苦しみをこらえた意次の顔は見ていてつらいものがありました。

蔦重(横浜流星さん)は、意次のもとを訪れ、
「この流れに書をもってあらがいたい」
また、それによって、
「田沼様の名を貶めるかも知れませんが・・・」

と話します。

「こちらこそありがた山とかたじけ茄子だ」
と応じる意次。

いかにも気っぷの良い、江戸っ子らしい返しですね。

ほんとうの意次はどうだったのでしょう。
渡辺謙さんの意次は、ずいぶん「ワイロ政治」意次のイメージを変えました。

また、意次の始めた印旛沼の開拓は、昭和40年代にやっと完了したそうです。ドラマ後のナレーションには驚きました。
結局、すぐれた政治家だったか、どうかは、歴史がきめるのでしょう。

批判はオブラートにくるんで

吉宗の孫、ともてはやされた定信。けれど寛政の改革により出版業界への締め付けは厳しくなります。

なんとか活路を見いだそうともがく蔦重は、ついにふっきれて、妻のおていさんの反対する中、作家や出版仲間を集め皆の前で「おもしろい黄表紙を出す!」宣言をします。

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狂歌の大田南畝(桐谷健太さん)にも幕府からおとがめが来て、顔青ざめてました。さすがの大田南畝先生もおじけづいたか・・・と思っていたら、狂歌のお題を出され、つい(笑)すらすらと、皮肉まじりの狂歌をつくってしまいます。

その後、蔦重はあいついで黄表紙を出版します。

明誠堂喜三二(尾美としのりさん)の「文武二道万石通」は、武士を文武の二道に分ける愚かさについて書いたもので、「寛政の改革」を皮肉っています。
その15年ほど前に書いた「当世風俗通」は江戸時代の男子のオシャレ本とも言える本で、喜三二はかなりの洒落者だったようです。

けれど後に、幕府からおとがめを受け執筆をやめてしまったようです。武士ですからね、秋田佐竹藩の留守居役、やはり幕府や藩に縛られるものがあったのでしょう。

また、後に喜三二の親友 恋川春町(岡山天音さん)が、その影響をうけた「鸚鵡返文武二道」を書きます。これが松平定信の目にふれ、幕府からの呼び出しをうけます。春町は病気といって応じず、隠居し間もなく46歳で亡くなってしまいます。自殺説もあるようです。ほんとうに憐れでなりません。

まじめな権力者ほどコワいって、ほんとうにその通りですね。
当時の作家さんたちは命がけでした。お上を恐れて筆を折るか、お上に反抗して皮肉をユーモアに包んで書くか、二つにひとつだったのでしょう。
次回からの展開も気になります。

今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。ほかにも日々の思いを書いていますので、目を通していただけましたら幸いです。

◆蔦重の耕書堂で才能を開花させていった恋川春町、北尾正演(まさのぶ、山東京伝)。京伝は質屋の息子さんで、のちに始める京伝煙草屋は銀座一丁目にあった

◆「宝暦の色男」と呼ばれた朋誠堂喜三二(尾美としのりさん)。最初に出した洒落本「当世風俗通」は当時、男性のファッション指南書として大人気だったそう

◆大河べらぼうの新たな登場人物が発表されました。この中の恋川春町(岡山天音さん)には権力を風刺し、書きすぎた者の悲哀を感じます。「京伝店の烟草入れ」(井上ひさし 講談社文芸文庫)にもくわしく

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