大河べらぼうの新たな登場人物が発表されました。この中の恋川春町(岡山天音さん)には権力を風刺し、書きすぎた者の悲哀を感じます。「京伝店の烟草入れ」(井上ひさし 講談社文芸文庫)にもくわしく
こんにちは、ゆきばあです。毎日ブログを更新しています。
大河べらぼう、江戸のメディア王、蔦屋重三郎の活躍もさることながら、脇をかためる皆さんの個性がおもしろい。女郎屋の女将・りつ(安達祐実さん)も、眉毛を落とした姿に迫力がありますね。よい人なのか、怖い人なのか今のところ未定です(笑)
平賀源内もですが、これから江戸の戯作者などおもしろい人が沢山出てくるのでしょう。楽しみです。そのなかで超人気の戯作者だった 恋川春町は、「井上ひさし江戸小説集 京伝店の烟草入れ」でも紹介されています。
恋川春町は本名 倉橋 格(くらはし いたる)、小藩駿河小島藩の藩士ですが、文才があり「金々先生栄花夢」が大ヒットして、江戸中の人気者に。同じく武士の戯作者 朋誠堂喜三二とは無二の親友でした。
喜三二は 政権を揶揄する「文武二道万石通」を書いて評判になりました。
恋川春町は、なぜかその続編のような形で、「鸚鵡返文武二道」を書きました。きっと、ぎりぎり大丈夫かな、大丈夫であってほしいな、と思ったことでしょう。これがお上の逆鱗にふれました。
お上といえば当然、「寛政の改革」のあの方、松平定信ですね!
謹厳実直にして正義感の塊。ちょっと融通のきかないタイプだったのでしょう。
けしからん!ということで、春町に呼び出しがきました。
でも春町は、病気といって登城しなかった。きっと「行って話をしてしまったらもう終わりだ」そう思って行かなかったんですね。
春町は養子でした。養子先の家督も潰されるかもしれない。そして国のお殿様も排斥されるかもしれない・・・とかなり悶々としたことでしょう。
そして、やがて病死したとされました。実は自死したとも言われています。さらに恐ろしいことに、井上ひさし短編集の中では、実は家の者たちに殺されたのではないかという仮説も書いています。
さらにこの小説の中で、喜三二はほんとうは病気の春町に会いに行きたかった、けれどそうしなかった、それが後悔になっている、とそんな風なことが書かれています。
そして後ほど、喜三二は貧乏暮らしをしている春町の妻を、それと知られずに助けます。ドロボウのふりをして逆に家の中に5両を落としていったり。
当時の作家たちはがどれだけ気をつかって命がけで書いていたかがわかりますね。
今もSNSを規制しろ、とかどうとか言われています。
お上の取り締まりが厳しい中で、江戸の戯作者たちは、言論の自由を守れ!もっと言いたいことを言わせろ、書きたいことを書かせてくれ!と切実に思っていたのでしょうね。
この恋川春町は、岡山天音さんが演じます。どのような役柄になるのか楽しみですね。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。ほかにも日々の思いを書いていますので、目を通していただけましたら幸いです。
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