初めて読んだ瀬戸内寂聴さんの本の中に、心に残る言葉があった

ゆきばあです、毎日ブログを更新しています。
ほとんど読んだこともなく、読む前からぜったい好きじゃない、と思っていて、いまも少し思っているのに、本当はどういう人なのか確かめたくて「寂聴 九十七歳の遺書」という本を取り寄せて読んでみた。
その講話に「救われた」という大勢の人の声。そして、家に置いて出た娘さんのこと。
置いて出たことは今も後悔しているけれど、そうしなかったら、今の私はなかった、という強さ。
けれど、やはり生んで良かった、生んだからこそ今、孫もひ孫もいる。子孫繁栄よかった!といわんばかりのおおらかさ。
どれも私の苦手なものばかり。自分のコンプレックスにつながるからか・・・。
けれど、読んでいて、心に残ったことばがある。
「そんな偶然のもとに生まれてきた自分の命だから尊い」
そして、もうひとつ。
「私は人間について書きたいと思い、小説の中に描いてきました。人間を描くということは、要するに人間の愛と孤独について描くことです」
こういう言葉はなかなか言わない。たとえそう思っていても・・・
単純で大切なことというのは、意外と人は言わないものだ。
そんなの当たり前のことだからか、単純なことを言うのは、恥ずかしいからなのか、よくわからない。
源氏物語やすぐれた小説というものは、愛と孤独について描いているというが、本当にその通りだと思う。
この本は、簡単だけど、ひとの聞きたい大切なことを伝えてくれている。
感謝申し上げます。合掌。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
ほかにも日々の思いを描いていますので、ぜひ目を通してください。
2021-11-27 by
関連記事
数年ぶりの「わかば読書会」。お気に入りの藤野千枝「団地のふたり」をもっていそいそと出かけていく 「輝ける闇」開高健 ヴェトナムの戦いを間近に見ていた著者によるルポ、と言うにはあまりにつらく生々しく、人間の本質にも迫る作品 光る君へ でまひろが道長に送った漢詩が話題になっていたが、唐の芸妓たちも漢詩を作っていた。それを大和ことばに置きかえた『車塵集』がおもしろい。 「じい散歩 妻の反乱」 夫婦合わせて180歳を超える新平と英子。息子たちは結婚せず今も新平は家族の保護者のまま。明るい日常の中「みんなで老いていく」という言葉が哀しい 明智光秀もその子女たちも、品良く美形で王侯貴族のようだった。娘の細川ガラシャを通じてその血筋は幕末の孝明天皇にも
コメントを残す