『銀色のヴェネチア』(塩野七生)、花の都フィレンツェを舞台に、粗暴な権力者、苦しめられる人々。そこから起こる事件が描かれる・・・果たして共和制に戻せるのか

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「ルネッサンスの女たち」に始まり、塩野七生さんのイタリアルネサンス期を題材にした作品はいくつか読んだ。

こちらは、ボッティチェリの『春』を表紙にした「銀色のフィレンツェ」。
銀行で財を成したメディチ家が僭主となって、実質支配していたフィレンツェを題材にしている。副題に「メディチか殺人事件」とついているけれど、どちらかというと、フィレンツェの街の中をぐるりとめぐっているような楽しみが大きい。

名前を知っている教会、ボッティチェリなどの芸術家・・・そういえば、丘から美しい尖塔やドーム風の丸屋根などを望めるイタリアの都市はフェンツェのみというのもこの小説で知った。

ロレンツォ・ディ・メディチの時代に、ボッティチェリ、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロなどにより、イタリアのルネッサンスは最盛期を迎える。それでもフィレンツェは共和制をしき、僭主のロレンツォも名目上は1市民に過ぎなかった。
けれどその二代後ほどに、法王クレメンテ7世の息子アレッサンドロが公爵になり、スペイン王の娘を妻にしてフィレンツェはその支配下になる。アレッサンドロは粗暴でわがままな支配者で、フィレンツェの市民は彼を嫌った。
また、共和制に戻したいと願う市の有力者たちの思惑も。

この小説では、ヴェネチアの貴族ダンドロがそんな、陰謀や思惑の渦巻くフィレンツェに旅し、そこで出会うメディチ家の人々や、遭遇する殺人事件について書かれている。

わがままな公爵、メディチ家傍系の人々の思い、そして妹を守るためについに・・・となる。
その後、コジモ一世が2代目公爵となってメディチ下の歴史をつないでいくことになり、。共和制にもどしたいという人々の願いは、ついに叶うことはなかった。

そんな人々の思いとは別に、街は少々斜陽の陰をおとしつつ爛熟期を迎えていく。

この作品はそういう意味でも人というより、フィレンツェの街の栄枯盛衰を描いていると言えるのだろう。

塩野七生さんの文章はときに軽く皮肉も入り、やがて斜陽に向かうこの芸術の都を語るにふさわしい。特にイタリアルネッサンス期に興味のある方は、ぜひ読んで見てください。

今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。ほかにも日々の思いを書いていますので、目を通していただけましたら幸いです。


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