みずみずしい演奏が心に残る。美しいジャズ・ピアニスト/「ヒッコリーハウスのユタ・ヒップvol.2」を入手
こんにちは、ゆきばあです。毎日ブログを更新しています。
数年前、ユタ・ヒップというジャズピアニストに興味をもちました。「ヒッコリーハウスのユタ・ヒップvol,1」というCDを入手したのがきっかけでした。
そして驚きました。ご本人も「スイングするのが大好き」とおっしゃる正当派ジャズピアニストなのに若々しさや哀愁、ステップを踏んでいるようなピアノタッチ、どれもジャズの域を超えた魅力あるものでした。
「テイク・ミー・イン・ユア・アームズ」は聴くほどに胸に迫ります。「デア・オールド・ストックホルム」は素朴で郷愁を感じさせ、しかもどこかバッハを聴いているよう。いつしかこの若いピアニストが大好きになっていたのです。
鬱屈した哀しみのようなもの
ドイツ人のユタはヨーロッパで活動していて、20代でレナード・フェザーに見出され1955年に渡米。ニューヨークのジャズクラブ、ヒッコリー・ハウスで半年ほど演奏していました。ブルーノートにもリリースしています。
影響を受けたミュージシャンの一人としてバド・パウエルの名が上げられていますが、やはりというか、かなりうれしい。底にある鬱屈した哀しみのようなものが、昔バド・パウエルのピアノを聴いていたときに受けた印象と同じものだからです。
けれどなぜか数年後には演奏をやめてアメリカを去り、衣服の裁断工場で働きながら画家の道を目指すようになりました。なくなったのは78歳のとき。生涯独身だったそうです。
なぜ演奏をやめてしまったの
音楽家や作家の最期はときに痛々しい。特にあんなに輝いていた若さそのもののようなジャズピアニストですから。どんな気持ちで演奏をやめ、働きながら絵描きを目指すことになったのでしょう。
ひょっとして時間と共に流れ去る音楽に空しさを感じたのでしょうか。それよりもキャンバスや紙に固定する絵のほうを選んだのでしょうか。本当に謎です。
このたび自分へのプレゼントとして「ヒッコリーハウスのユタ・ヒップvol,2」を入手。大好きなピアニストの演奏をクリスマスに聴けてたいへん感動しました。何歳になっても音楽や小説は心を慰めてくれます。
一見、はかなげな演奏がこうして残り、人々の心に感動をあたえつづけている。天国のユタ・ヒップはどう思っているでしょうね。少しでも喜んでくれてるといいのですが・・・。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
ほかにも日々の思いを書いていますので、目を通していただけたら幸いです。
[…] […]