「アイミタガイ 」(中條てい) 5つの短編を通して読むと、どこかでつながる というのに興味を持って読んでみた 黒木華さん主演で映画化も
こんにちは、ゆきばあです。毎日ブログを更新しています。

「アイミタガイ」 (中條てい 幻冬舎文庫)
「ばらばらの短編を全部読んでみると、どこかでつながっている」というのに興味をもって読んでみた。
最初の短編「定刻の王」は、電車通勤していた人にはだれでも思い当たるエピソードが主になっている。
毎朝ホームの決まった場所から乗っていると、だいたい、車両の中で同じ顔に出会う。あちらも知っているのかな、とは思うが、決して話したりはしない、それ以上進まない関係だ。主人公にはつきあっている女性がいて、もう一歩先に進めたいが女性は煮え切らない。何かにこだわっているように見える。それはなんなのだろう。
通勤電車の帰りに、またあの男と出くわす。しかも、立っている彼のすぐ前の座席に座り眠りこけている。電車はやがて、男の降りる駅に停車しようとする。彼はあせる。声をかけようか。しかし、自分と彼は見知らぬ者同士だ。そしてついに、彼は何気なく(笑)もっていた文庫本を取り落とす。と、眠っている男の膝に当たり、男は目を覚まして彼の顔をチラッと見て、あ、と気がつき駅名を確認して電車から走り降りる。
そこで、人と人との関係や距離感、相手を知っているっていうのは、どういうことなんだろう、と考えさせられる。
5話の「蔓草」には、1話ではっきり意思表示をしなかった女性が再登場する。ここでは彼との関係をもう一歩進められなかった女性の心のもやもやが説明される。「弟」とのふれあいの中で肉親のきずなに気づき、家族の物語の中に一歩踏み出していこうとする様子が描かれる。
そして、物語は再び第1話につながっていく。
「蔓草」というのはタペストリーのように、切れそうできれない人と人との複雑なつながりを表している。そこにあるのは「アイミタガイ」(相身互い)心なのだと、そんなことに改めて気づかせてくれる小説だった。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。ほかにも日々の思いを書いていますので、目を通していただけましたら幸いです。

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