結婚しないことが自立ではない。上野千鶴子さんの入籍で思い出した/「こおろぎ嬢」について

こんにちは、ゆきばあです。毎日ブログを更新しています。

最近の上野さんの話題から、ふとこの短編を思い出しました。
独身を選ぶにしろそうでないにしろ、尾崎緑の「こおろぎ嬢」をぜひ読んでみてください。
何者にもなれなかった女性の悲哀の物語です。           

小川洋子の偏愛短編集 から、「こおろぎ嬢」(尾崎翠、河出文庫)

フェミニズムの社会学者 上野千鶴子さんについて。

上野さんは女性の自立を促し結婚や子育てを一段低いものにみなしてきた。それに感化されて結婚をやめてしまった女性も少なくないだろう。

就職氷河期の女性に結婚していない人が多いのは上野さんの影響もある。まず仕事と考えたから・・・。
「みんなで貧しくなろう!」
また、このかけ声の一方で、ご自分は高級タワマンに住み、高級外車を運転し、別荘を所有していた。

そろそろご自分の老後が見えてくると「おひとりさま」シリーズで人気をとり、大ベストセラー作家にもなられた。
そこにあるコンセプトは、「女は老後もひとりでも生きられる」。そこでは夫婦より、女同士の連帯が大事にされた。結婚や子をもつことに意味をもたされていない。

上野さんを信じた多くの女性が独身を通し、結果として40~50歳くらいの独身者がふえた。これから先女性たちは、夫も、いざというとき駆けつけてくれる子もいない状態で老後を迎えなければならない。
本人たちだけでなく、その親世代にも未婚のわが子の将来を案じている人が少なくない。

年に一度は母親を豪華な旅行に連れ出すという50歳の独身女性。
「おいしいものを食べさせてあげて、いい部屋を予約して、わたしって親孝行よね」
と彼女はいう。
けれど、母親はそんなこと望んではいない。願いはただひとつ。
「早く結婚して安心させて。そして孫を抱かせてね」ということ。

結婚数の減少や少子化にも

私は上野さんの生き方自体は別にどうとも思わない。
雑誌などでタワマンや外車を見せつけるのは恥ずかしさを感じない無邪気な人か、ものすごくイヤな人かどちらかなんだろうな、と思っていた。

ガラス張りの豪華なタワマンの一室で、えん然と微笑む姿を見ていると、かわいそうにさえ感じた。いくら東大教授で、ベストセラー作家で、フェミのリーダーだとしても家庭も子もいない彼女はある意味、孤独な女性に見えたから。

そんな上野さんの微笑みの陰で、結婚しない女性は確実にふえた
〝知的な女性〟〝一人で生きていける女性〟を選択し、結婚や子育てを知らないまま年を重ねていく。

一人の女性のフェミニズムの思想が、何人もの女性をいらぬ不幸に追いやったかもしれない。少子化にも影響をあたえただろう。しかもご自身はまったくそれを自覚していない。

そんな上野さんに年上の不倫相手がいて、なんと入籍さえしていたのだから驚く。
それもまあ別にいいんじゃないの、とは思うが、その間にもフェミニズムの先頭に立ち、「おひとりさま」を広め続けたのだ。それは世間にウソをついたことにならないでしょうか。

子をもった女は、人生が自分一人だけのものでないのを知るのだが、上野さんにとって人生は常に自分一人だけのものだったのだろう。

冒頭に上げた「こおろぎ嬢」を読んで涙するのは、ついに人生が自分一人だけで完結してしまった、という悲哀を感じるからです。

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今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。ほかにも日々の思いを書いていますので、目を通していただけましたら幸いです。


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