狂言も、コロナ禍のような伝染病を取り上げています。その名も「ホーホー病」。野村萬斎さんによれば狂言の狂は「物狂いやシャーマニズムにつうじる取り憑かれた状態」なのだそう。
こんにちは、ゆきばあです。毎日ブログを更新しています。
「この辺りのものでござる」と自分を紹介する「狂言」。
この庶民感が好きです。
ところで、ご存知ですか。
室町時代からつづく狂言にも、コロナ禍に近い怖い伝染病があり、狂言に取り上げられています。
その名も「梟山伏」
「ホーホー病」が弟から兄へ、そして山伏へと次々に伝染していく過程が可笑しくもあり怖くもある演目です。
勝手な解釈で言えば、ちょっと筒井康隆さんの小説にも通じるものがあるような・・・。
萬狂言チャンネル をときどき拝見しています。
画像はそこからお借りした「梟山伏」です。
「和泉流狂言方 野村万蔵家(萬狂言)による動画の第六弾です!」
シテ(山伏):野村万蔵
アド(兄):野村万之丞
小アド(弟):野村眞之介
兄弟の弟のほうが山に行って戻ってくるとホーホーと鳴く梟付きになってしまいます。心配した兄が山伏を呼んで祈祷をしてもらいます。
祈祷のさなか、いつか兄「ホーホー」と・・・。
驚く山伏。
そしてついに、最後には山伏までもが梟付きになって「ホーホー」と鳴き出します。涙💧
みんなが、ホーホー病に感染してしまうという極限状態を描いていて、
かなり可笑しく、怖い話です。
狂言が大団円で狂乱(パニック)になるようなところ、ほんとうに好きですね。笑
この「梟山伏」、得体の知れない病が広がっているところ、本当に現代のコロナ禍を連想させてコワいですね。狂言の少し緩い感じが、よけいに不気味さを醸し出しているような。
野村萬斎さんは著書の「狂言サイボーグ」(日本経済新聞社) の中で、
狂言の「『狂』の字は『物狂い』やシャーマニズムに代表されるような取り憑かれた状態を意味するとも聞く」
と書いています。そして、
「演じるということはそもそも『狂う』ことであろう」とも。
コロナ禍という狂の中に?
なるほど、日常の中から、狂いに入っていくところが狂言のおもしろさなのでしょうか。
梟付きの病もつぎつぎ広がっていって最後は、パニック状態になってしまう感じですね。
YouTubeでも見る度におかしく、かつ不気味で(笑)、室町時代の先人達の機知とユーモアセンスにただただ脱帽です。
フクロウ付きとコロナ、いったいどちらがほんとうに怖いのか・・・。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。ほかにも日々の思いを書いていますので、目を通していただけましたら幸いです。
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