紫式部先生にきく〈2〉~ステキで誠実な男なんてめったにいない理由
こんにちは、ゆきばあです。毎日ブログを更新しています。
(絵 夏城らんか ©)
来年の大河は、吉高由里子さん主演の「光る君へ」。
紫式部が主演ということで、こちらのブログでは「紫式部先生」に登場願い、源氏物語をもとに人生訓などを語っていただこうと思っています。
「源氏物語」日本人ならだれでも知っていますね。世紀の貴公子、光源氏が美女たちとくり広げる恋模様を描いたお話…・・・。でも、ご存じですか? 源氏って、意外にしょうもない男性の面もあるんですよ。
有名な「雨夜の品定め」のところですが・・・・・・。
その1、妻の実家が煙たくてならない
御所が生家という超プリンスの源氏は、立派すぎる妻の実家、左大臣家が苦手。物忌みを口実にぐずぐずと御所ぐらしをしていると、雨降りの宵に妻の兄、頭の中将が姿を見せます。
「ちょっと、煙たいな~」
そう思いつつも、例によって義兄のペースに巻き込まれる源氏です。
その2、お嬢さま育ちの妻が苦手
妻の実家に足が向かない理由のひとつが、年上の妻の気位の高さ。
幼いころから、いずれは東宮の妃にも、といわれて育った超絶お嬢さま。
一方源氏は帝の子とはいえ宮になれなかった不幸に、ともすると気持ちをこじらせてしまう身。プライドの高い妻って、ちょーめんどくさい。きっと、源氏は内心そう思っていたことでしょう。
その3、自分への恋文を平気で見せる
頭中将は、出世競争のライバルでもあり、遊びにもつき合ってくれる悪友でもあります。ふと見ると義兄は、源氏にきた文(手紙)を勝手に広げて読んでいます。さらに、
「ありきたりの文はつまらん。恨みごとを言ってるようなのを見たいな」
「あ、これあの女からだろー」
少々、持て余し気味の源氏です。
その4、女性の品定めにわくわく
物忌みのお伽にと、左馬頭と籐式部丞も登場。ますます盛り上がり、かの有名な「雨夜の品定め」がはじまります。こういう女がいいとか悪いとか・・・・・・。
「一つくらい、いいところがあってもねー」
「つき合ってると、だんだんがっかりしてくる」
「外づらだけってのもいるし」
「頭のよすぎる女なんて面倒だ」
勝手な意見に、いちいちうなずく少年源氏でした。
その5、内気ではかなげな女・・・に好奇心
そこで頭中将がかつて、つきあっていた女の話をします。内気で弱々しく、中将の妻に何かいわれて行方をくらましたそう。
今でも未練あり気な頭中将。
「女の子までうまれたのに・・・・・・・」(オイオイ!)
お坊ちゃん育ちの源氏は、この中流女性(夕顔)に興味を持ってしまいます。
一方では義理の母、藤壺女御を一途に思いながらですよ。男とはなんて勝手なのでしょう。あたし、紫式部は、源氏を理想の男性としつつも、やはり欠点も弱さもある男性として描いてみたのです。
そのほうが人間らしいでしょう。でも考えて見れば女性の寝所に近づくために侍女に手引きさせるは、大好きな少女を山奥の屋敷からさらってくるはで、源氏は結構やりたい放題。
やはり本当にステキで、かつ誠実な男性なんてこの世にいない?
けれどもあたし、紫式部は源氏に後ほど、この世のほんとうの幸せや苦しみもたっぷり用意してるのですよ。それはあとのお楽しみに。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。ほかにも日々の思いを書いていますので、目を通していただけましたら幸いです。
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