「プロフェッショナル仕事の流儀10」から 。名物編集者 石原正康さんのプロの仕事

こんにちは、ゆきばあです。毎日ブログを更新しています。

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プロフェッショナル仕事の流儀10
茂木健一郎 &NHK「プロフッショナル」製作班=編

こういう本を購入。この中で「編集者 石原正康」の項を興味深く読んだ。石原さんは、ベストセラーを数多く手がけた名物編集者とのこと。

村上龍「13歳のハローワーク」120万部、天童荒太「永遠の仔」200万部、五木寛之「大河の一滴」253万部というのだから凄いですね。
こういうのを読むと、ベストセラーを出す秘訣とはなんですか、と単刀直入に聞いてみたくなるが、もちろん茂木さんはそんなことはしない。

「プロフェッショナル仕事の流儀10」から 。名物編集者 石原正康さんのプロの仕事

どういう人で、どういう深い考えをもっているから、そういうことができるのか。その人の人となりや人間として本質までじっくり相手を見つめて良い意味で「分析」しようとしている。
特に興味深いと感じたところ。

作家に「作家の命=作品」を生み出させるために大変な努力を払う。
あるとき作家に電話して開口一番にほめた。
「本当にいいと思った点を言葉を尽くして褒める」
そして褒めるときは「おなかから声を出して褒める」。

少し本筋から離れるが、よく、子どもは褒めて伸ばせという。そんな言葉が頭に入っていると、ついなんでもかんでもペラペラと褒めたくなる。

けれども。それではダメなのだ。本当に褒めたことにはならないし、気持ちも通じないだろう。
私もこれから人を褒めるときにはお腹から声を出して心から褒めよう。

そして作家の原稿を読むときに何を見ているかについて・・・。
「読みながら自分が何に反応しているか、自分の中で何か高まってくるものがあるのかないのか、そういうことです」
と石原さん。

世の中に対しての激しい違和感

作品があるレベルを超えると、自分が感動するだけでなく。だれが読んでも感動するだろうと考える。このような気持ちの高まりがとても大事なのだ、という。

小説家の才能とは、世の中に対して持っている「激しい違和感のようなもの」と石原さん。
そして、その小説家と社会とをつなぐ役目をするのも編集者の役割なのだという。

また、多くの人に読まれる本とは書店に並んでいるときに「思わず手に取ってみたくなる本」だという。
装丁のこともあるでしょうが、内容の良い本が良い装丁を導き出し、最終的にベストセラーに繋がるということでしょう。

編集者はご自分では書かないという禁欲的な立場ですが、作家の心の中に入り込んでその何割かを占めていく、そんな共同作業の中から珠玉の傑作が生まれるのでしょう。編集者の方の熱い心やプロ根性が伝わってきます。これぞプロフェッショナルという感じですね。

茂木さんの脳科学者らしいことばも心に響く

また、茂木さんの感想も心に残りました。

「もともと地球上の酸素は、静物にとって毒だった。しかし今、われわれは呼吸という形で酸素を取り入れないと生きていけない。・・・・・・人が生きるとは、そのように一筋縄ではいかないものだが、それを思い起こさせてくれるものが文学」という見解が凄い!

文学というものの本質と、生物としての人間が深いところで繋がっている。それを知らされてたいへん感動しました。

今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。ほかにも日々の思いを書いていますので、目を通していただけましたら幸いです。

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