「森のお茶会にきませんか?」のお誘いに、宮沢賢治「どんぐりと山猫」の奇妙な招待状を連想する
少し前ですが、
「森のお茶会に来ませんか」そんなお誘いをいただきました。
「え、森のお茶会?」
思わず、聞き返していました。
「はい、19日の昼ごろから、若葉台公園アスレチック広場にて開かれます」
「森のお茶会」に反応し、宮沢賢治の「どんぐりと山猫」の手紙を思い出す私。
それは、こんな風に始まるのだった。
~ ~ 🌰 ~ ~ 🌰 ~ ~
「おかしなはがきが、ある土曜日の夕がた、一郎のうちにきました。
かねた一郎さま 九月十九日
あなたは、ごきげんよろしいほで、けっこです。
あした、めんどなさいばんしますから、おいで
んなさい。とびどぐもたないでくなさい。
山ねこ 拝」
宮沢賢治 「どんぐりと山猫」
~ ~ 🌰 ~ ~ 🌰 ~ ~
そんなわけでもちろん「とびどぐもたないで」笑、
当日、おそるおそる若葉台公園アスレチック広場に行ってみた。
時間前に、皆さんすでに集まっていた。
若葉台公園愛護会の西村さんが、火をおこしている。煙が懐かしい。
燃やしているのは薪ではなく、森の中で集めた枯れ枝。これを日干ししてよく乾燥させたものとのことで、パチパチとよく燃える。
火の勢いが強くなると、皆さん、薬缶で湯をわかし慣れた手つきで芋、里芋などを次々と火に乗せていく。
ホイルの中身はサツマイモ。火がよく通るようにときどきひっくり返す。
食料は、持ち寄り。
「食べたいものを自分でもってくる」のがルールという。
木は乾いているのでよく燃える。
「マテバシイの実が焼けたよ!」の声。
よく焼けたマテバシイのドングリ。実から油が出てつやつやしている。
半分に切ってもらったのを口にすると、香ばしくて、アーモンドの実を少し固くしたような味わい。
こちらはわたしが持参したマシュマロ。森の中で切り取った笹の先にマシュマロを刺し火にあぶる。
適度に焦げ目がついて外がカリッと、中がトロリで美味しい!
しかも、焼けるまでが楽しくて、まるで子どもに返ったよう。
鬱蒼とした木々を背景に、ちらちらと燃える火を見ていると心が自然に本来の場所に戻っていくようだ。
「火を見ていると気持ちが落ち着くわね」
だれかがいう。みんな大きくうなずく。
明日からも元気にやっていこうかと思える。自然の力は偉大だ!
午後の数時間を、皆さん、ここでゆっくりと過ごされた。
森のお茶会、楽しかった!
また、ぜひお邪魔させてください。
本当に素敵なシニアの時間の過ごし方ですね。
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