詩人 まど・みちおさんの詩は素朴で温かくちょっとコワい 「人生処方詩集」
こんにちは、ゆきばあです。毎日ブログを更新しています。
素朴で温かい詩や童謡詩でおなじみの、まど・みちおさん。私たちは、あたたかく、わかりやすい詩を書く詩人と思いこみ、どこか油断してしまっている。
きっと詩人というのは、そのかただけの素敵なことばや表現、言いまわしをたくさんお持ちなのだろうと思う。その多彩な組み合わせや、心の中の深い思いによって詩が生まれるのだろう。
たとえば思いつきで、
花、空、森、風、星、月・・・と、
いくら言葉を連ねても詩にはならない。
花 星 月 雪 宙 なら、
ご存じ宝塚歌劇団の5つの組の名まえ。なんか統一がとれている気もするが詩にはならない・・・
つまり詩人の感性があるから、言葉の並びから詩が生まれるのだ。
たまたま家にあった、まど・みちお詩集のページをめくって驚いた。
というか衝撃を受けた・・・!
「まど・みちお 人生処方詩集」
れんしゅう まど・みちお
今日も死を見送っている
生まれては立ち去っていく今日の死を
自転公転をつづけるこの地球上の
すべての生き物が 生まれたばかりの
今日の死を 毎日見送りつづけている
なぜなのだろう
「今日」の「死」という
とりかえしのつかない大事がまるで
なでもない「当り前事」のように毎日
毎日くりかえされるのは つまりそれは
ボクらがボクらじしんの死をむかえる日に
あわてふたむかないようにとあの
やさしい天がそのれんしゅうをつづけて
くださっているのだと気づかぬバカは
まあこのよにはいないだろうということか
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読んでいて、ゾクゾクしてきた。
日常からいきなり死へ向かうという戦慄。
穏やかでやさしい顔の詩人が、ふいに人生の真実を語りだすのだ・・・。
淡々と厳しく、少々残酷に。
でも、同時にそこには、両掌で頬を包むようなやさしさもある。
そこが、まど・みちお流。
それにしても、題が「れんしゅう」とは・・・
まど・みちおの本質は怖い人でもあり、やさしい人でもあるのだろう。
怖さの本質がこの、まど・みちお画 の絵を見ているとなんとなわかる気がした。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。ほかにも日々の思いを書いていますので、目を通していただけましたら幸いです。