花を一輪差し出し「おなごの幸せは男に・・・」と説く半蔵。その花をいきなりガブリと口にして「ころすぞ」とつぶやく女大鼠。また今回ひたむきな瀬名の表情が切ない。
こんにちは、ゆきばあです。毎日ブログを更新しています。
今回、ハラハラさせられる展開で、この先のことを考えると少しつらいような気持ちで見ていた。
そんな中で、心和んだのは服部半蔵(山田孝之さん)と、ケガの癒えない女大鼠(松本まりかさん)のシーンである。
「仕事をよこせ」ごねる女大鼠。
花を一輪差し出し、「おなごの幸せは男に・・・」と説く半蔵。その花をいきなりガブリと口にして、「ころすぞ」と叫ぶ女大鼠。
なんてスカッとカッコよいシーンなのでしょうか。見事に女大鼠の勝ちですね。
ひょっとしてあれは半蔵の告白だったのかどうか、今もってわからない。
そして、その少し後、見事に職場復帰して築山殿の床下に忍ぶという大任を果たした女大鼠。少々、袖をやられはしましたが・・・。
そして今回一番気になるのは瀬名の「たくらみ」である。察するに、瀬名はまだ本当の自分になっていなかったのだろう。
家康と祝言をあげたときも、人質交換で岡崎に来たときも。そして築山で暮らしていた時も、自分が何をしたいのかわからなかった。
「自分は何を望んでいるのだろう」
ぼんやり考えながら、築山から木々や空の月を仰いだりしていたのか。
周りには戦争が絶えない。息子の信康(細田佳央太さん)はついに精神を病んでしまった。自分が今やらなければいけないことは何なのか。
そこから母親の壮大な夢が始まる。理想は理想のままでいれば美しいけれど、そして安全だけれど、それを現実に移すのには危険が伴う。
「破滅するかもしれない」と恐れながらも、突き進んでいかなければならなかった。
いかに夫の家康(松本潤さん)が説得しようと、家臣たちが懇願しようと、理想を棄て去ることはできない。
「私たちはなぜ戦をするのでしょう」(瀬名)
「貧しいからじゃ。他国から奪うしかない」(家康)
「奪い合うのではなくは与え合うのです。私は誰も殺したくありません」(瀬名)
憐れむように妻を見る家康。やさしければやさしいだけ妻の理想につきあってやりたい。
(このときの、瀬名を見つめる家康の表情が好き・・・!)
「戦をやめましょう。どうぞ私たちと同じ夢を見てくださいませ」(瀬名)
優しい夫はついに決意する。
無理と知っているのに、瀬名の理想につき合ってやりたかった。そして家臣たちを説得した。武田も今川も同調した。うまくいくかと思えた。
しかし、しばらくして武田は考えた。
「今こそ徳川を倒す時だ」と。
まだまだ戦国の時代。築山殿の理想が実現するのは遠く先のことだが、徳川3百年の平穏は案外、築山殿の理想の上に成り立っているのかもしれない。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。ほかにも「どうする家康」について書いていますので、目を通していただけましたら幸いです。