「紫式部は今日も憂鬱」(扶桑社)がおもしろい。「光る君へ」を観る方はぜひ読んでみて。
こんにちは、ゆきばあです。毎日ブログを更新しています。
先日、若葉台のBOOKSTAND若葉台でこういう本を購入しました。
「紫式部は今日も憂鬱」(扶桑社)
作:堀越英美、紫式部 監修:山本淳子
~令和言葉で読む「紫式部日記」~
『紫式部の宮廷観察がOL風の言葉でわかりやすく書かれていて、とても親しみやすい本です。
ほんとうはひきこもり気質で、家に居たかったけれど、道長に見込まれて、しぶしぶ中宮彰子のもとに出仕することになった紫式部。
ところが職場の同僚は、名門のお姫様ぞろいで肌合いが合わず、家にこもること数ヶ月。のちのちやっとの思いで出仕し、その後は、能力をひた隠しにしてどうにか仕事をこなす。
ぼやき風でもあり、新鮮な驚きありで、らくらく読めて楽しいです。
女郎花の気になる朝のシーン
出産が近づき道長邸に里帰りする中宮彰子。それについていく紫式部や女房たち。
ある朝、マメな道長殿は池の掃除をさせていた。
紫式部がいるのに気づくと御簾ごしに女郎花の花を投げ入れて、歌を詠みかける。せっせと、それにこたえる紫式部。
ひょっとして、ここは、
「私は道長様にとって特別な女房なのよ」
と伝えたかったのでは・・・!
前半クライマックスは、彰子中宮出産前のところ。
大勢の僧正、僧都の読経の声、押し合いへし合い汗だくで近くの間に詰める女房たち。化粧ははげ、普段とは見違えるような顔になっている。
本書では、この辺りの伝え方も絶妙で楽しく読める。
中宮定子の弟 藤原隆家殿も出てくる
また、そんな中、隅の方で一寸いじけたような様子でいるのは、中宮定子の弟、権中納言藤原隆家殿。このあたりもしっかり触れています。汗;
隆家といえば兄とともに、道長との権力闘争に敗れるという気の毒な立場。
その上、変わり者の花山院に恋人を横取りされたと誤解して、矢を射かけ流罪に。
この事件により、姉の中宮定子は落飾してしまう。この役、「光る君へ」では、VIVANTでもおなじみだった竜星涼さんが演じられる。
楽しみです。平安貴族の衣装がかなりお似合いになるのでは・・・!
登場人物も漫画風の絵で紹介されていて、わかりやすい。さらに、項目ごとに丁寧な解説があり、これは平安期の知識が増え、とても役立つ。
1月から「光る君へ」をご覧になる方にはぜひお勧めの一冊です。
※「紫式部日記」は、清少納言の悪口をいったところばかりがクローズアップされますが、宮廷の中でちょっと距離を置きながら、作家の視点で宮廷をえがいているところが魅力です。当時の記録としても貴重。この本ではそれを、令和の言葉で書きつつ、いちいちていねいに説明してくれています。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。ほかにも日々の思いを書いていますので、目を通していただけましたら幸いです。