「夢の検閲官」(筒井康隆)。毎夜人の頭の中の法廷で、夢を見させるかどうか検閲する検閲官たち。ある夜、女性の夢に現われようとしたのは・・・ 

こんにちは、ゆきばあです。毎日ブログを更新しています。

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「夢の検閲官」(筒井康隆、新潮文庫)

筒井康隆の作品はみんな好きですが、中でもこの「夢の検閲官」は気にいってます。
人が眠りについた時、頭の中で夢の法廷が開かれ、入ってくる夢を検閲し、その夢を見させるか見させないかを決める。それが「夢の検閲官」の役割。

女性は少し前に中学生の息子を亡くした。友達のいじめにあって自殺したのだ。それ以来、息子を一人で育ててきた女性は深い悲しみに陥っている。

ある夜、検閲官の法廷に息子が姿を見せる。だめだ、だめだ、女性が思い出して悲しむじゃないか。検閲官たちは息子を追い返そうとする。

けれど、女性が夢の中でも息子に会いたがっているのだと知って、夢の中に息子が登場するのを許す。

「さめてから、泣くことでしょう。眠れなくなるかもしれません。しかし・・・それで少しでも苦悩が解消されるなら・・・」
と、そういう内容の短編です。

不条理な世界の中に温かい感情がふわっと入り込んでくる。そんなところが筒井作品の魅力でもあります。
この作品も油断して読んでいると、最後は目の奥が涙でいっぱいになってしまいます。

今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。ほかにも日々の思いを書いていますので、目を通していただけましたら幸いです。

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