鎌倉殿の13人は散り際の美しさが秀逸。期待を裏切らないすごいシーンで、それぞれの人を舞台から去らせている

鎌倉殿の13人を見ていると、このころの人は気を抜いたら即、死ぬという感じだ。死と隣り合わせなのだ。見慣れて、自分の隣人のようにさえ思えている登場人物が、いきなり消えてしまうのはつらい。
それに、だいたいとんでもない悲劇の中に命を落とす。作者の三谷幸喜さんは、登場人物の退場のところのつくりがとても懇ろなのである。だからよけいに、つらい。
かわいそー、むごい、と声をあげてしまう。
おもしろいドラマってなんだろう
ところで思うのだが、おもしろいドラマってなんだろう。例えばあるドラマを見ていて、どうしても中に入り込めない。
作者はきっとおもしろくつくろう、楽しませてあげよう、ドンデン返しでびっくりさせてあげよう、と思っているにちがいない・・・。
でもきっと、私たちがドラマに求めてるのは・・・どんでん返しなどではなく、期待を裏切らない中の凄さなのだ。
こうあって、ほしい。この人がなくなるのなら、その人にふさわしい花道を用意してやってほしいと、そんなことだ。私たち視聴者はワガママなのだ。
「鎌倉殿の13人」では、それぞれの人の最後が凄い。作者の三谷さんは去って行く1人1人に、花道を用意してあげている。上総広常(佐藤浩市さん)の最期の残酷さ無残さ。
美しい花が散った悲しみ

そして八重(新垣結衣さん)が川に流されたときにも、感じた哀れさは、ひととおりのものではない。まさしく川の中に美しい花がはらりと散った悲しみと余韻が襲ってきたのだ。
そして、7日の全成(新納慎也さん)の最期。嵐が沸き起こり雷鳴がとどろき、額に雨を受けながら呪文となえつづける全成は、ほとんど神がかっていた。
見ている人の期待を裏切らず、びっくりさせ、恐怖におののかせ、楽しませてくれる。すごいストーリーテーラーだな、と思う。

そして今。私が一寸期待していることがある。義時(小栗旬さん)がいろいろあって、苦しんで、感情をころして冷酷になったにしろ、最後は八重の元に帰ってくるという、そういう展開だ。
きっとそうなる、いえ、絶対。子どもの頃すごした伊豆にもどり、そこには八重さんが待っている。
こういう期待、いや、私のはかない願いが叶うことを願っている。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。ほかにも大河についていろいろ書いていますので、目を通していただけましたら幸いです。
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