べらぼう第29回 なんとか誰袖を笑わせたい。その情熱が結集して生まれた変な主人公とは?「江戸生艶気蒲焼」は山東京伝(政演、古川雄大さん)の大ヒット作になりました
こんにちは、ゆきばあです。毎日ブログを更新しています。

べらぼう第29回「江戸生蔦屋仇討」
なんとか誰袖を笑わせたい
蔦重は、沈み込んでいる花魁の誰袖を何とか笑わせてやりたい。
そう思って新しい戯作本をつくることを考えます。しかも政演(山東京伝 古川雄大さん)が持ち込んだ、手拭いの絵にかかれた変な顔の男を主人公にして。

そこで、戯作者や絵師の皆さんに集まってもらいアイデアを出し合います。恋川春町でどうか、とか、いや、金々先生の二番煎じはいやだとか。
そのうち、絵の顔が意知を討った侍 佐野に似てるんじゃないか、という話まで飛び出します。どういうわけか、佐野はその後、米が出回ってきたためか庶民の間で大人気になったのです。
さすがに咎人を主人公にするわけにはいきません(__;)
鶴屋さん、どうしたんだろう
そうこうするうちに、そこに鶴屋(風間俊介さん)が顔を出します。そして、
政演(山東京伝)に書いてもらってはどうかと提案。
「大当たりを出すなら、京伝先生をお貸ししますよ」
驚く蔦重・・・!
というのも京伝先生は、鶴屋の大事なおかかえ作家。かんたんに手放せる人ではなかった。
鶴屋さんを誤解していました・・・。
こんな心の広い人だったとは。いえいえ、
「京伝先生が大ヒットを飛ばしてくれれば、過去の本も売れますからね」
はっはっは、と笑いながら去って行く鶴屋さん。
安心しました。鶴屋さん変わってなかった。笑
いや、やはりここは、広い人ということで。
穿った見方をすれば、鶴屋はべつに意地悪なのではなく、
日本橋の地本問屋全体の、
繁栄だけを願っていたのかもしれないですね。
これからも蔦重と協力する場面がいろいろ出そうです。

そこから、みんなでアイデアを出していくシーン、わたしすごくおもしろかったです。
みんなに笑われるような超おもしろい登場人物とは?
それは佐野を180度ひっくり返したような人物でなければなりません。
女との浮名を流したい二代目若旦那
そして、
「金持ちの2代目若旦那。金に糸目をつけず、女との浮名をたてることに情熱をかけるしょうもない男」と、結論づけます。
そこから、とんとん拍子にいろいろなアイデアが出て・・・。
そのあとの劇中劇が秀逸でした。
京伝先生が自ら、付け鼻をつけて、若旦那を演じました。お金を払って芸者に恨み言をいいにわざわざ家に来てもらったり。
この芸者をやっていたのがていの橋本愛さん、芸者姿がほれぼれするくらい、粋でおきれいでした。でも、
「もっと大きい声で!近所にきこえるくらいに」
といっても、やはり近所は無関心。

最後は、お金で買った花魁との道行き兼身請け、
ここも誰袖花魁が笑顔で演じていて楽しい場面でした。
結果、山東京伝の「江戸生艶気蒲焼」は、大評判となりました。
さすがの売れ行きに、
鶴屋さんもさぞ喜んでくれたことでしょう。笑
山東京伝は裕福な質屋の息子
北尾政演(山東京伝)は、木場の裕福な質屋の家に生まれました。
吉原を自分の居場所と考えて、17歳ころから絵をかきはじめ、大田南畝にも才能をみとめられていたそうです。

のちに寛成の改革の時に出た、「出版物取締令」により手鎖50日の刑を受けますが、
これにすっかり参ってしまい、いったん筆を置いて銀座1丁目あたりに煙草屋の店を開きました。
デザインの才もあったので包み紙などにも工夫し、「京伝店」繁盛していたようです。

井上ひさしに「京伝店の烟草入れ」(講談社 文芸文庫)という作品もありますので、ぜひご覧になってみてください。

今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。ほかにも日々の思いを書いていますので、目を通していただけましたら幸いです。