「インド夜想曲」(アントニオ・タブッキ、須賀敦子訳)白水社。行方不明になった友人シャヴィエルを探してインドのあちこちを旅する僕。
こんにちは、ゆきばあです。毎日ブログを更新しています。

イタリア人作家で、ポルトガス文学の研究者 アントニオ・タブッキの代表作。須賀敦子訳。
「インド夜想曲」(アントニオ・タブッキ、須賀敦子訳)白水社
行方不明になった友人のシャヴィエルを探して、インドのあちこちを旅する「僕」。
どのシーンも幻想的で、インドという国の不思議な魅力がいっぱいだ。
ホテルとも言えないようなスラム街の安宿、汗のにおいに満ちた夜の病院、豪奢な高級ホテル、神学論争をいどんでくる神智学協会、いずれもこの国固有の神秘性や熱気を感じさせる。
そして、シャヴィエルの筆跡で書かれた手紙をわたされる。
そこには「僕は夜の鳥になってしまいました」そう書かれている。謎は深まるばかり。
特に印象深いのは、病で体が小さく変形した兄を背負う少年。その兄は賢そうな目をしている。
「僕の兄さんです。年ははたちです」「すごく頭がいいんです」
兄の手をやさしくたたきながら紹介する少年。
兄は占い師でもある。
「僕」が占いを頼むが、兄はできないという。
それは「あなたがここにいない」からだと。これは作中最も不思議に感じた言葉だった。
ここで、行方不明のシャヴィエルとは、「僕」自身なのではないかとさえ思えてきた。
僕は神秘の国インドの中を、僕自身を探して旅をしていたのではないかと。
この本は、若葉台の本屋さん「BOOKSTAND若葉台」で購入しました。
ユニークな本、気になる本、団地本コーナーもあり、店内を見ているだけで楽しくなります。



今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。ほかにも日々の思いを書いていますので、目を通していただけましたら幸いです。
2023-01-29 by
関連記事

源氏物語で夕顔の巻を読んでいたら、ふと「伊勢物語」の芥川で鬼が一口に女を食べた話を思い出した 
灰の降る日本橋、明るさとアイデアで災害を乗り超えようとする蔦重の姿がついに鶴屋(風間俊介さん)の心まで動かして。笑顔の印象が前とはこうも変わるものか 笑 
森茉莉さんの小説に「甘い蜜の部屋」というのがあります。この中で父の鴎外はまるで「愛の、がっこう。」の父のように過保護です 
「抱擁家族」小島信夫 技巧的な小説と思っていたら、お弟子さんが「ほぼ実際にあったこと」と書いている。小説ってわからない・・・ 
坂口安吾の評伝「家康」では、「小心で、驚くたび顔色をかえ」ていたという。ドラマのイメージ通りでびっくり。






コメントを残す