冷徹な顔と涙ぐむ弱さ・・・。有能すぎる英雄の悲哀をつくづく感じる、大河「鎌倉殿の13人」

こんにちは、ゆきばあです。毎日ブログを更新しています。

大河「鎌倉殿の13人」で、義時の真意が気になって、永井路子さんの「炎環」を再読してみました。特に義時について書かれたところ。
義時の記述で印象に残っているのは、だれかがつぶやいた次の言葉です、

「――そういうひとなのさ、四郎というひとは・・・・・・血眼になって探しても、その場にいたためしはないんだ」

義時は本当は、表舞台になど立ちたくなかったでしょう。でも兄が戦で討ち死にしたので否応なくそういう立場になってしまった。
まじめ過ぎる義時が頼朝に学び、頼朝なきあとの鎌倉を存続させようと懸命にやっている。それがときに非情になり人に非難されてしまう。

なぜか人気のない英雄

不思議なのは、あれほど残虐にふるまった織田信長は人気があるのに、北条義時が非難されることです。義時としては、最善を尽くしているだけなのに・・・。

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私たち日本人は信長、秀吉、義経のように陽で、一寸変人の英雄が好きなようです。
それに対して明智光秀、石田三成、義時らのように、まじめで実務的な人への評価は低い。かろうじて家康が評価されますが、あれだけの実績がありますものね・・・。

毒薬で有名なボルジア家のチェーザレ・ボルジアは、ルネッサンス期のイタリアの英雄ですが、残虐にして実務家の切れ者。また甘いマスクの持ち主で、わが日本でもそこそこ人気があり、宝塚歌劇でも上演されたほどです。けれど当時の人々には、恐ろしくてたまらない人物だったでしょう。

今回興味深かったのは、実朝のつくらせた船がどうしても動かなかったときの義時の表情です。苦笑いをこらえてるような、哀れんでるような・・・
いずれにしてもこの時点で、実朝はないな、と思ったことでしょう。

そんな有能すぎる義時に、息子の泰時が向ける冷たい言葉、
「鎌倉は、父上ひとりのものではない」・・・。

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まあ、優等生ですからね。こう言わなければ気がすまないでしょう。
そんな泰時が、父の真意にいつ気づくのか、最後まで気づかないのか。
それによって、この物語の最後も変わってくる気がします。

冷徹な顔の義時、涙ぐむ義時、これからエンディングに向けて小栗旬さん義時の表情がどう変わってくるのかますます楽しみになってきました。

今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。ほかにも日々の思いを書いていますので、目を通していただけましたら幸いです。

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