秋分の日のおはぎから、尾崎翠の小説のあるシーンを思い出す

本日、用があって近くのまちをグルッとめぐり歩いてました。なんやかやで、出るのが午後3時頃になってしまい、出るときには、まだ明るかったのですが、戻ってきたころには、商店街にははや夜のとばりが・・。

暗くなってからの商店街の店先は不思議な魅力があります。特に八百屋さんとか、果物屋さんとか。

この温かみはどこから・・・。

秋分の日を過ぎたら急に夜の来るのが早くなり、空気もめっきり秋めいてきた気がします。しかも、夜には、虫の声が。
ついこの間まで蝉がうるさく泣いてたのに、すっかり秋の虫に取ってかわられてます。日本の四季は、いつも気づかぬうちに忍び寄ってきていますね!

そういえば秋分の日、おはぎを食べていたら、ふと子どもの頃を思い出しました。

私たち姉妹は、それこそ年中母の実家(海のそばにあります)に泊まりに行ってました。数年前になくなった叔母は、母のすぐ下の妹で、料理の名人でした。
まだだれも本格的なカレーなど作ってないころから、小麦粉をバターで炒めてカレーを作ってくれましたが、こってりとコクがあっておいしく、今でもあのカレーを食べたいな、とふと思うことがあります。

そうそう、おはぎですが、叔母は何かあると山ほどおはぎをつくり、それをご近所におすそ分けする趣味をもっていました。
あんこを、こってりつけたおはぎを大皿に並べ、さらにそれを、いくつものお重に取り分けると、
いよいよ私たちの出番となります。風呂敷にていねいに包んだお重を、ひとつひとつ手に持ってご近所に配り歩くのです。

これは、家で作ったおはぎではありません。秋分の日にスーパーで購入したもの

お玄関先でいう口上も、教えられました。
「○○です。お口よごしですが、おひとつめしあがってください」
とまあ、そんなあたりだったか・・・(^_^;)
あ、そういえば、尾崎翠の作品、「アップルパイの午後」だったか・・・、
やはり、おばあさんにいわれて、おはぎを近所にお届けするシーンがありました。

おばあさんは、家にばかりいる孫娘を心配して、
(○○さんの家に行って、話しでもすれば、少しは気が晴れるかもしれない)と、
おはぎを持たせて送り出したのでした。
尾崎翠の故郷は、鳥取。
ということは、半世紀以上も前の日本では全国津々浦々、おはぎを作ればご近所に配り歩くという風習でもあったのでしょうか。

やはり何か口上を覚えさせられたような気がします。なんだったか・・・(^_^;) これ、ちょっと確かめてみますね。

なお料理上手の叔母については、こちらのポテトサラダの記事もよろしければ、ぜひご覧ください。
最後まで、お読みくださりありがとうございました。

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