「夏帆」 斬新なストーリー、寓話性、豊かな表現・・・村上春樹ワールドを堪能できる3年ぶりの長編
こんにちは、ゆきばあです。毎日ブログを更新しています。

「夏帆」(村上春樹)
斬新なストーリー、寓話性、表現の豊かさを堪能しつつ読みました
主人公夏帆の母親はシロアリの女王に体を乗っ取られている。
母親を助けるためには、シロアリの心臓に特別に作られたナイフを突き立てなければならなかった。でも、もしシロアリの女王でなく、本当に母親を○してしまうとしたら・・・。そんな風に考え怯える夏帆。
邪悪なシロアリの女王に体を乗っ取られていたとはいえ、そのとき母親は物語の中にいた。
けれども夏帆のナイフによって、現実の世界に引き戻された。母親らしい母親に戻ったのだ。
そして、物語は永遠に彼女の背後に遠ざかっていった。
現実に戻ったとき、母親は自分がシロアリの女王に体を乗っ取られていたことをまったく覚えていない。そして、現実に戻ってきた(シロアリの女王の去ったあとの)母は、なんて静かで平凡な女性なのだろう。夏帆はそんな母を見て、「ひょっとして私は、悪いことをしてしまったのだろうか・・・」とも思う。
生きるということは、物語とはうらはらのところをしぶとく歩んでいくことだ。
けれど現実と物語とのあわいを行き来する、そんな生き方もあっていいだろう。
そして気付かぬうちに、どちらとも知れない世界に迷い込んでいる人もいるかもしれない・・・。
あなたは、どちらの世界の住人ですか?
そんなことを考えるのも、人生のおもしろさだろう。
そんなことに気付かせてくれる意味でも、村上春樹は凄い作家だと改めて思う。
また改めて村上春樹氏は、物語や寓話の世界が心底お好きなのだと感じた。そこが、なかなか日本の作家にはない魅力になっているのだと思う。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございます。ほかにも日々の思いを書いていますので読んでいただけましたら幸いです。
2026-09-25 by
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