紫式部先生にきく〈7〉~教養があって、上品、貴族たちの憧れの的 六条御息所を襲った悲劇とは
こんにちは、ゆきばあです。毎日ブログを更新しています。
2024年の大河は、吉高由里子さん主演の「光る君へ」。
こちらのブログでは「紫式部せんせい」に登場願い、源氏物語をもとに人生訓などを語っていただきます。
「源氏物語」日本人ならだれでも知っていますね。世紀の貴公子、光源氏が美女たちとくり広げる恋模様を描いたお話…。でも、ご存じですか? 源氏に愛された高貴な女性の中に、プライドが高いのに嫉妬深く生き霊にまでなってしまった女性がいるんですよ。それは、六条御息所(ろくじょうのみやすどころ)。いったいどんな女性なのでしょう…
その1、教養深く高貴な未亡人
六条御息所は、東宮妃でしたが夫が早くに亡くなり今は六条にある邸に娘と住んでいます。寂しい身の上ですが、教養があって、上品、貴族たちの憧れの的でもあったのです。
「一度お近づきになりたいなあ」
よく知らないながらも、ついつい憧れてしまう源氏でした。
その2、バツグンの趣味の良さ
もともと左大臣家のお姫さま。中宮になるべく育てられたので、あらゆる教養を身につけている。
「ぼくよりインテリってあまり居ないはずだけど。上品で利口すぎてちとつかれるなあ」
時として「六条御息所」に息苦しさを感じてしまう源氏でした。
その3、繊細で思いつめる性格
ついに六条御息所の恋人になれた。
けれど世間的にはお坊ちゃん育ちでまだまだ青い。
恋人にコンプレックスも感じたりして、邸に足がむかない。
六条御息所は年上な分、よけいに傷つきやすい。
世間からどう見られてるのかも気に病みます。
「今日は行くのやめておこうかな、なんか面倒くさいし。夕顔ちゃんのところにいーこう」
と、勝手な源氏。
六条御息所のプライドはズタズタです。
その4、達筆すぎる和歌(手紙)をおくる
当時の人は、恋人どうしが出会って、和歌を送り合ったものです。
気持ち的にはしっくりいかないけれど、六条御息所の美しい筆跡にほれぼれ。
「これほどの女性を恋人にできて、うれしいなあ、でもちょっと重たいなあ」
プリンス源氏の心は複雑でした。
その5、車争いで大恥をかく
それほどプライドが高い彼女でしたが、源氏が賀茂祭の行列に加わると知って、わざわざ車を仕立てて見に行くのでした。
けれど葵の上の車と車争いになって、身元まで知られてしまう。
しかも源氏まで、
「わたしを無視して通り過ぎていく」
「恥をかかされた・・・葵の上が憎い」
そんな思いが彼女を夜ごと苦しめ、葵の上を深く恨むのでした。
その6、ついに生き霊になるまでに身を落とす
葵の上の出産日、怪しいもののけが葵の上に取り憑いて離れません。
源氏が話しかけると驚いたことに、もののけは六条御息所の声でこたえるのでした。
その後、なんとか無事男子を出産。
一方、邸でイヤな夢を見て目をさました六条御息所。
気がつくと、自分の衣服に祈祷の芥子の匂いがついています。衝撃を受ける六条御息所。
「わたしは生霊になって、あそこにいた・・・」
「気にしなくて、いいですよ」
のちほど源氏から、そんな意味の手紙がとどくのですが・・・。
「あの人に知られていた・・・」
それだけで、彼女のプライドはズタズタです。
「もう二度と会わせる顔がない」とまで、思い詰めるのでした。
☆ ☆
このように愛しすぎたことで終わってしまう愛もあるのですね。六条御息所の愛は、激しすぎて炎のように自分の身を焼き、周りを不幸にする愛でした。
繊細で感受性の強い女性が、賢さ故に不幸になるのを見るのは悲しいですね。
末摘花の姫君の呑気そうな愛と真逆に思えます。
あなたは、どちらの愛を選びたいですか。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。ほかにも日々の思いを書いていますので、目を通していただけましたら幸いです。
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