角田光代のベストセラー小説の映画化「紙の月」。Amazonプライムで観ました。始まりは宮沢りえさんの銀行員が大学生の光太と出会ったこと

こんにちは、ゆきばあです。毎日ブログを更新しています。

画像は松竹からお借りしました

角田光代のベストセラー小説を映画化した「紙の月」。
午後は、ゆっくりこの作品を観た。といっても、和むとかそういむ作品ではない。

銀行の契約社員・梅澤梨花を宮沢りえさん、彼女が、偶然にも出会ってしまった大学生光太を池松壮亮さんが演じている。

光太と出会うことで、梨花の生活は少しずつ変わっていく。最初は、買い物のときに、足りなかった1万円をお客に預かった袋の中から借りたことがきっかけだった。

光太の学費の分を出してやりたい、それから、二人でおいしい食事、高級ホテルとエスカレートし、そのためにニセ伝票や証書をつくり、どんどん深みにはまっていく。

このあたりのシーンも暗いはずなのだけれど、宮沢りえさんの美しさ、ハッとするほどの孤独感やリリシズムを感じさせ目が離せない。

宮沢りえさんは美しいだけでなく、希有な役者でもある。悪女の役もうまいけれど、梨花は決して悪女ではない。真剣に職務にはげむ聖女にさえみえてしまう。

小さいころから憐れみ深い少女だった梨花。けれど行き過ぎた憐れみは、普通から逸脱し、
そしてついには彼女犯罪者にしてしまう。

スクリーンの中のりえさんは、一輪の白い鼻のように美しく孤独である、そしてその手から紡ぎ出されニセ証書や伝票さえも、うさん臭ささからはかけ離れている。

二人は、ごまかした何千万円もの金で豪華な部屋に暮らす。けれど光太は梨花に向かって叫ぶ。
「あの部屋にいるとたまらなくなる。いつまでこの生活がつづくかなあと」

「紙の月」という題名が象徴しているように、お金もほんとは偽物で、その世界では月さえも消しゴムで消せるニセもの。そんな世界だから「わたしは自由なんだ」と叫ぶ梨花。

梨花を観察し追い詰めていくベテラン銀行員小林聡美さんがまた素晴らしい。

今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。ほかにも日々の思いを書いていますので、目を通していただけましたら幸いです。

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