フェリーニ 監督の名作映画「道」が、公式YouTubeで期間限定無料配信されている。純粋な娘と無骨な男の対比が切ない。
5/24㈮20:59まで、
フェデリコ・フェリーニ 監督の名作映画「道」が、公式YouTubeで期間限定無料配信されている。
![](https://yukinovel.net/wp-content/uploads/2024/05/GM2pUmObwAAgXJW.jpg)
暗そうでなんとなく敬遠していたが、YouTubeで配信されていたので観てみることに。
粗野な旅芸人ザンバノと、
母親に泣きつかれ、わずかな金で助手になった娘ジェルソミーナが
車の荷台に寝ながら巡業の旅を続けていく。
娘は金をもらったので、
男の意に沿うように芸を覚えようと必死だ。
粗野な男には、娘の純粋さや
自己犠牲の精神が理解できない。
そして哀しいことにジェルソミーナは、ザンバノを愛しはじめていた。
けれどザンバノには娘の無垢な心がわからない。
純粋な娘と、粗野な男の対比が
観ていて切ない。
男もいつしか娘を愛し、
心の支えにしていたのに、
それすら気づかず、
娘の気持ちを裏切ることばかりしていたのだ。
どんなに大事な存在だったのか、気づいたとき、男の心にはぽっかり穴があいていた。
最後の海辺のシーンが哀しく心をえぐる。
無骨で粗野な男を演じるアンソニー・クインの凄さ。
この同じ人が、アラビアのロレンスを演じたなんて・・・。
ジェルソミーナ役のジュリエッタ・マシーナは、フェリーニの妻ということだ。
特に私の好きなシーンは、
旅の途中で、ジェルソミーナが
泊めてもらった修道院の尼僧と心が通いあい、尼僧から、
「ここにいたい? もしそうしたいなら頼んであげましょうか」
といわれて、哀しげに首をふるところ。
そして車の荷台から、微かに手を振って別れるシーン。
娘は天使だった。
それに最後まで気づかなかった、無骨で粗野な男。
この対比が切なく、さまざまなシーンがいつまでも心に残る。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。ほかにも日々の思いを書いていますので、目を通していただけましたら幸いです。
2024-05-23 by
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