「ラーゲリより愛を込めて」(二宮和也さん、北川景子さん主演) を観ていて思わず涙してしまった。長谷川四郎の短編集「シベリヤ物語」もぜひ読んでみて

こんにちは、ゆきばあです。毎日ブログを更新しています。

画像は、映画.com からお借りしました

プリント類の整理をしつつ
「ラーゲリより愛を込めて」を観ていましたが、途中から手が止まってしまいました。
二宮和也さん、北川景子さん、収容所の皆さんの熱演が凄い・・・!

これは、シベリア抑留の物語です。
日本と中立条約を結んでいたソ連が45年8月9日旧満州に攻め込みました。

そして、民間人を含めた日本人を拉致し、シベリアなどに送って強制労働させたのです。これがシベリア抑留で、最長11年間に及んだといいます。そんな抑留された人々の物語・・・。

辺見庸さんの「収容所から来た遺書」(文春文庫)が下敷きで、実在の人物 山本さんがモデルになっています。

11年間の抑留、その悲惨な状況が映像の中に、つらいほど描かれていました。
寒さ、餓え、過酷な労働、どれもが想像を絶するものでした。仲間同士の争いもありました。
そんな中、二宮さん演じる山本が誠実な姿勢を崩さず、だんだんと仲閒たちに信頼され、みんなの支えになっていきます。


山本が綿ゴミを集めて作ったボールを使い、みんなで野球をするシーンは感動的です。

「シベリヤ物語」(長谷川四郎)

シベリヤ物語(長谷川四郎、講談社文芸文庫)

私の持っている本の中に長谷川四郎の「シベリヤ物語」があります。映画と同じように、実際に体験したシベリヤ抑留の話です。文章も素晴らしく悲惨な状況を客観的に、美しい文章でつづっています。

その中の「小さな礼拝堂」という小編が特に心に残っています。
収容所で発疹チフスが流行ったときのこと・・・。

「その頃は、来たばかりで、生活が確立していなかった。その頃はまだ有史以前で、生と死とがあんまりはっきりしていなかった。私たちのいる所がそのまま死体を置き場となっていて、・・・私たちは平均一日一人は死んだ。」

「私たちは平均・・・」のところで衝撃を受けました。
収容所では、一人ひとりの区別はなく死も共通のものになっていたのですね。生と死との境目はなく、人と人との境目もない。収容所では人の人格は溶け出し、群れの中の一匹になる、とそんなことなのでしょうか。

そんな情景を思い出しつつ「ラーゲリより愛を込めて」を見ていました。

最後、引き上げてきた人たちが
妻の家に行って、一人ずつ声に出して言うところでは涙が止まりませんでした。

今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。ほかにも日々の思いを書いていますので、目を通していただけましたら幸いです。

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