「人は天と地との間に立っている」篠田桃紅。生まれたときもしぬときもひとり。
こんにちは、ゆきばあです。毎日ブログを更新しています。
2009年、女優の大原麗子さん(享年62歳)が孤独死し、死後3日たって弟さんに発見されるということがあった。ベッドの横に手を伸ばして倒れていて、約15センチ先には携帯電話が落ちていたそうだ。
美しかった女優さんの最期を知ってみんな悲しんだ。わたしもそうだった。そして、そんなとき往々にして人は「悲惨な最期」という言葉を使う。
実際には、なにも知っているわけではないのに。
わが家では次男が京都に移って、ひと月、ふた月たつうちに、いよいよ老夫婦ふたりの生活になったのを実感した。これで夫婦のうち、どちらかがいなくなれば、残された者は1人暮らしになる。孤独死というのも大いにあり得る話だ。
でも、孤独、孤独死は、本当に不幸なことなのか。
「103歳になってわかったこと」
昨年亡くなられた、美術家の篠田桃紅さん(1913年3月28日 – 2021年3月1日)は、墨による抽象芸術作品で世界中から高く評価されていた。
その桃紅さんは、亡くなられる数年前に「一〇三歳になってわかったこと」(幻冬舎)という本を出された。この本は、20万部突破のベストセラーになった。
ご本の中に、
「私は一人、天と地の間に立っている」
と、いう言葉がある。
天と地の間に立っているというのは、法隆寺夢殿の救世観音が静かに立っている、穏やかな笑みを浮かべながら、とそんなイメージなのだそうだ。
そして、
「自分の足で立っている人は過度な依存はしない」
人は、ひとりで生まれて一人で死んでゆく。
きっと、生きているときにも、「ひとり、自分の足で立っている」強さが必要なのかもしれない。
桃紅さんのような堂々とした生き方の中では、そもそも、孤独という言葉を、気の毒な・・・という意味で使うことこそ、失礼なのかもしれませんね。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。ほかにも日々の思いを書いていますので、目を通していただけましたら幸いです。
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