八重さんの笑顔が見たかったんです!/「鎌倉殿の13人」ついに義時の気持ちが通じた
鎌倉殿の13人、第13回は「幼なじみの絆」でした。
以前のブログ記事を読んで、コメントしてくださった方がいます。
新垣結衣さんの八重を見ていると、「古き時代の女性を思い出す」とのこと。
これを詠んで、あ、と思いました。たしかにそうですね。これまで気がつきませんでした。
ふいに思い出したのが、伊勢物語の「筒井筒」でした。
筒井筒井筒にかけし まろがたけ過ぎにけらしな妹見ざるまに
というのですが、一緒に遊んだおさななじみどうしが、大人になって再会し、
昔をなつかしみながら思いをつたえあうという話です。
おさないころからの憧れを胸に抱き続けた義時(小栗旬さん)。
そして、とまどう八重。これって、ほんとうに「筒井筒」の世界ですね。
山ほど、海の幸、山の幸(笑)をとどけてくる小栗旬さん義時。
この、ひたむきさがいいですねえ。
「なぜ私が、山菜好きな人を、わざわざ探さなくてはいけないんですか」
心を動かされながらも、憎まれ口をたたかずにはいられない。
この頑固さは、八重の純粋さでもあるんですよね。
ところで、ある方が、
「新垣演じる八重のように気丈な雰囲気」と書いていますが、それはちょっとちがうかなあ・・・。
八重は、子をあやめられ、父と兄をなくした、この上なく哀れな境遇。けれどそれを細い両肩でかろうじて支えている。気丈に見せているのは伊豆の豪族の娘であるという矜持、そんなものをあの思い詰めた表情にも、りんとした立ち姿にも感じさせる。まさに健気と言うにふさわしい。
そして、平安末期から鎌倉時代ころの、はんなりした女性の雰囲気もあって、ガッキーさんの役を自分のものにする才能がほんとうに凄いなあ、と思います。
八重、実はたいへん難しい役だと思います。
感情をおし殺して、耐えに耐えている。だからあの表情は、気丈と言うより、表面は水のように静かだけれど苦しみを全部心の中にかかえこんでいる。崩れそうなのを必死にこらえている。
きっと、ガッキーさんはそういう立場や感情をよくわかって演技していると思います。
また、義時も、そんな八重さんの苦しみをわかっていた。だから海の幸、山の幸(笑)を、かかえきれないほどもって通い続けずにはいられない。
子どものころ、小四郎が心ときめかしたあの笑顔をまた見たい。
そして、「八重さんが笑っているのが好き」という気持ちが通じて、
「小四郎殿、お役目ご苦労さまでございます」のあのせりふになる。
そして「おかえりなさいませ」のあとの笑顔が素晴らしい。
小四郎はこれが見たかったのですね。
「ただいま帰りました」とこたえる義時。
この笑顔にも万感の思いが・・・。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。ほかにも「鎌倉殿の13人」についていろいろ書いていますので、目を通していただけましたら幸いです。
「鎌倉殿の13人」を見ていて、演技がうまいってなんだろう、とふと考えてしまう
家族を失った八重はこれからどこに行くのだろう/そして泰時の母は?
鶴ヶ峰~白根~中山~二子の渡しへ通じる鎌倉街道中道(なかつみち)/イケメン武将 畠山重忠ら坂東武者が通ったのでしょうか
大変勉強になります。情報発信ありがとうございます