「夢の検閲官」(筒井康隆)。毎夜人の頭の中の法廷で、夢を見させるかどうか検閲する検閲官たち。ある夜、女性の夢に現われようとしたのは・・・
こんにちは、ゆきばあです。毎日ブログを更新しています。

「夢の検閲官」(筒井康隆、新潮文庫)
筒井康隆の作品はみんな好きですが、中でもこの「夢の検閲官」は気にいってます。
人が眠りについた時、頭の中で夢の法廷が開かれ、入ってくる夢を検閲し、その夢を見させるか見させないかを決める。それが「夢の検閲官」の役割。
女性は少し前に中学生の息子を亡くした。友達のいじめにあって自殺したのだ。それ以来、息子を一人で育ててきた女性は深い悲しみに陥っている。
ある夜、検閲官の法廷に息子が姿を見せる。だめだ、だめだ、女性が思い出して悲しむじゃないか。検閲官たちは息子を追い返そうとする。
けれど、女性が夢の中でも息子に会いたがっているのだと知って、夢の中に息子が登場するのを許す。
「さめてから、泣くことでしょう。眠れなくなるかもしれません。しかし・・・それで少しでも苦悩が解消されるなら・・・」
と、そういう内容の短編です。
不条理な世界の中に温かい感情がふわっと入り込んでくる。そんなところが筒井作品の魅力でもあります。
この作品も油断して読んでいると、最後は目の奥が涙でいっぱいになってしまいます。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。ほかにも日々の思いを書いていますので、目を通していただけましたら幸いです。
2024-09-15 by
関連記事

サントリー美術館で絵巻「新蔵人物語」を特集している。これは男装して宮中に出仕した三君の物語。まるで今の宝塚のような世界観です。 
「今夜、秘密のキッチンで」第二話。姑の薦めるテリーヌでなく、Keiが教えてくれた「菜の花のクロスティーニ」を作ることに決めたあゆみの意志・・・! 
べらぼう32回。洪水、天明の大飢饉から打ちこわしへ。大奥もからみ江戸城内ではし烈な権力争いに。ついに松平定信( 井上祐貴さん)が老中に。これからの後の意次の身が心配です 
ゴシック風味の不思議でロマンチックなお話でした~『今夜、秘密のキッチンで』最終回 
ラムネモンキー9回。大人になって過去を振り返り不思議に思うことが・・・。雄太、 肇、 紀介にとって失踪した恩師マチルダの記憶ならなおさら。ラストでなぜ紀介はあんなに怒ったのか?






コメントを残す