ノベル

  • 2022年04月22日

    眠り草 (14)

     それに、贅沢をさせろといってるんじゃないんです。好きなものに囲まれてつつましく最後を迎えたいといってるだけなんです。そして、もし、あ...

  • 2022年04月17日

    眠り草 (13)

    いよいよその日が来る一週間前に、健司と美咲に手紙を書いた。電話なら簡単なのにと思いながら、なぜか電話で話す気にはならなかった。 そして...

  • 2022年03月17日

    眠り草 (12)

     「今日、来ていただいたのは、あの話がしたかったからなのよ」 聡子はいった。佐々木マネジャーの顔は平静だったが、左が軽く貧乏ゆすりのよ...

  • 2022年03月04日

    眠り草(11)

     ここに来て10日目の朝が来た。聡子はまだだれとも親しくなっていなかった。そのほうが都合がよかった。だれとも親しく話す気にはなれないの...

  • 2022年02月26日

    眠り草 (10)

     それから何をしたのか思い出せない。思えばずいぶん遠くへ来てしまったものだ。  姉が来たのはその翌日だった。近県に住んでいる割に長い間...

  • 2022年02月21日

    眠り草 (9)

     その日聡子は、館内の食堂で早めに夕食をすませると、部屋の中で静かに時間を過ごした。慣れるまでに時間がかかるかもしれない。ここは静かす...

  • 2022年02月16日

    眠り草 (8)

     コツコツと硬い音がして、廊下の奥から小さな老女が杖をついて近づいてくるのが見える。杖は先端が細い。上端にかぶせるように掌を乗せている...

  • 2022年02月12日

    眠り草 (7)

    「だいたいのお考えはわかりました。またゆっくりお話しするとして、とりあえずお部屋にご案内しますね。あ、それから遅れましたが、私は佐々木...

  • 2022年02月07日

    眠り草 (6)

     白い家の受付横にはカトレアが白い陶磁器の花瓶からあふれんばかりに生けられている。館内には暖房が効いて暑すぎるくらいだった。 「お待ち...

  • 2022年02月03日

    眠り草 (5)

     迎えの車はいつしか森の中に入っていった。針葉樹なのか辺りはうっすらと暗い。木々が車の両脇を通り過ぎていくのを見ていると、聡子は心細い...

  • 2022年01月31日

    眠り草 (4)

     駅には施設の職員が迎えに来るはずだった。空は抜けるような青空である。風もあった。 七十を過ぎた女が立っているには少々寒すぎた。迎えの...

  • 2022年01月28日

    眠り草 (3)

     どうしても送っていくという健治をふりきって、聡子は日曜日の早朝に家を出た。健治はもちろん、美咲もまだ眠っている時間だった。「明日は何...

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