「団塊哀愁列車」(鍋島幹夫)。団塊世代の人々が見てきた光景がつづられています
こんにちは、ゆきばあです。毎日ブログを更新しています。
「団塊哀愁列車」(鍋島幹夫、書肆侃侃房)
何かと取り沙汰されることの多い、団塊世代。1947年(昭和22)~1949年の第一次ベビーブームの時に生まれた約810万人をさしている。
学生運動最中のころはその中心となり、日本の高度経済成長やバブル景気の頃はそのエンジンとなっていた。
突出した人口ボリュームをもっているため、社会に何かと影響をあたえてきた人々。私はその少し下の世代なのだが、この人々が活躍し踏みならしてくれた後をそろそろついてきた気がする。(よい意味です・・・冷汗)
このエッセイ集を読んでいると、ふいに忘れていた懐かしい風景を思い出す。
記憶以前、舞台の雀、ぐみの実のなるころ、字が書けない、下手の威力、 夢の壺、佃煮が走る、虫たちのすみか、写楽狂い、泥の繭、裕次郎か小林旭か・・・など章の題名を見ているだけで昭和を思い出させる。
「すきやき」がミリオンセラーに
「上を向いて」は、坂本九の大ヒット曲「上を向いて歩こう」について書かれている。昭和36年に出てたちまち大ヒットに。アメリカでは「すきやき」という名前で三週間続けてビルボード1位、ミリオンセラーになった。
この曲もまた、当時のことをいろいろ思い出させる。
「涙がこぼれないように」という言葉に、ううっ・・・となってしまうのは、後の飛行機事故に頭の中が反応してしまうこともある。
そしてやはり、この時代は明るくがむしゃらで勢いがあるけれど、その先の陰りをもなんとなく予感させるような曲なのかもしれない。
さまざまな情景を思い出し、読みながら感慨にふけってしまった。今は、団塊の世代が全員後期高齢者になる2025年問題も何かと取り沙汰されている。
この世代の人々が何を見、どう行動してきたのか、そして社会にどんな影響をあたえてきて今は何を思っているのかなど、考えさせられるエッセイ集でした。
ぜひ手に取って読んでみて下さい。
なお、「団塊哀愁列車」は「BOOKSTAND若葉台」で選んだ一冊です。掘り出し物の本がさりげなく置かれているので、ぜひさまざまなコーナーにの本に視線を向けてみてください。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。ほかにも日々の思いを書いていますので、目を通していただけましたら幸いです。