「月夜の森の梟」(小池真理子)長年連れ添った夫をなくした喪失感を描く
こんにちは、ゆきばあです。毎日ブログを更新しています。

長年連れ添った夫婦、その一方が先になくなってしまうと、残った人はどのように毎日過ごしていけばいいのか。まわりの風景は以前と同じようには見えないし、自分がどのように日々生きていたのかもわからなくなる。
たとえば30歳で結婚するとしても、その後50年前後を一緒に過ごすことになる。連れ合いはすでに生活の一部、いや、生活そのものになっているのだ。気の合う夫婦であればあるほど余計に。
小池真理子さんのエッセイ集「月夜の森の梟」を読んだ。そして、連れ合いをなくすことの悲しみや喪失感をしみじみと感じた。しかもそれは、夫の命が助からないと知ったときから、すでに始まっていたのだという。
「夫の肺に手のつけられないがんが見つかった。それまで順調に流れていた時間がそこで止まった。それまで知っていた、なじみのある世界が、薄皮一枚を隔てた向こう側に遠ざかっていったような気がした」
そして亡くなってから後の、さらに深い喪失感、絶望、孤独感。心を棒でなぐられるような痛みを感じ読み進めていくのがつらかった。
けれど、「心の空洞に吹き寄せてくる悲しみの風の音」を聞きながらも、夫のいない生活に慣れ、少しずつでも前に進んでいこうとする。その勇気に感動させられた。
そこに微かな光がさしている。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。ほかにも日々の思いを書いていますので、目を通していただけましたら幸いです。
2022-08-25 by
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