「ばけばけ」の中でハーンが早朝に聞いたズシンズシンと響く音は「米を搗く、重い杵の音」でした。ラフカディオ・ハーン「日本の面影」から
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29日の「ばけばけ」ですが、ついにラフカディオ・ハーンが、
松江に到着。
来た当初から、松江のまちの様子に強く惹きつけられます。女性の着物、物売り、さむらい、遊郭・・・。
そんな中、無理矢理に日本風の宿屋に泊まります。
翌朝目覚めた際にはいきなり早朝の街の声に驚かされます。
そんな様子が、ハーンの著作「日本の面影」(角川ソフィア文庫)
「神々の国の首都」の項に詳しく描かれています。
「松江の一日は、寝ている私の耳の下から、ゆっくりと大きく波打つ脈拍のように、ズシンズシンと響いてくる大きな振動で始まる。柔らかく、鈍い、何かを打ちつけるような大きな響きだ。・・・それは米を搗く、重い杵の音であった。」
私も同じようにドラマの中で、この音を聞いていて懐かしい感じがしました。
同じ日本のことなのに、いまの私たちは、ハーンと同じような感覚で、この音をきいてしまいます。古き日本の音として。
多分、当時の松江のまちはまだまだ暗く、平屋も多かったでしょう。瓦屋根の暗い家々の上にようやく朝が訪れてくる。そんな様子がズシンズシンと鳴る鈍い杵の音に表されていて、その新鮮な感覚や表現力に驚かされます。
来日する前から日本に強く興味をもっていたハーンに、私たちは逆に過去の日本を振り返り、そこにあった日本人の庶民の生活や昔の日本人の心にあらためて思いを巡らせることになります。
「え、そこ?」
「そこに感動するの」
と、思わず恥ずかしくなったりワクワクしたりしています。
そして、いまだ〝さむらい〟を棄て切れない主人公の祖父を、奇異な者として見ておかしがりますが、ハーンにとっては、これが話に聞いた〝さむらい〟なのだ、と感激するのです。
そこに、どんな日本人の魂を見ていたのでしょうか。

今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。ほかにも日々の思いを書いていますので、目を通していただけましたら幸いです。










