恥ずかしくて帝のお顔を見ることもできなかった中宮。「犬君が小鳥をにがしたの」で始まる紫の上の物語は、ひょっとして中宮彰子の成長物語と重なるのかもしれない
こんにちは、ゆきばあです。毎日ブログを更新しています。
光る君へ。
8日放送では、中宮彰子の成長が気になりました。愛も恋も知らない中宮を、そばから見つめるまひろ(紫式部)の表情がやさしい・・・。
本当は帝が好きでたまらないのに、恥ずかしくて満足にお顔を見ることさえできない中宮。
年上でやさしくウィットに富んでいた、定子中宮。帝のお心にはいまもあの方のお顔があるのだ・・・と思えば、なおさらですね。
そんな中宮彰子のことを考えながら、庭をぼんやり見つめるまひろ。すると一人の少女が小鳥を追って庭にかけこんできます。
そのとき、まひろの心に遠い日の自分と道長の姿が浮かんできました。
ああ・・・、過去に置いてきたあの少女を、自分の筆の中でよみがえらせよう。そうまひろは思ったかも知れませんね。
また、少女は中宮彰子でもあります。これから成長し、お兄さまである帝のほんとうの妻になる。今はまだ準備期間のあどけない少女。
「紫の上」の部分は少女の成長物語でもあり、帝と中宮彰子との間の、愛を作り上げていく物語でもあるのかもしれません。
ところで気になるのは帝のまひろへの関心。どうぞ、まひろにではなく、中宮彰子のみを見つめてください。くれぐれも召人になどなりませんように。
今回興味深かったのは、ひとりの女房が他の女房たちに源氏物語を読み聞かせていたところ。
空蝉(うつせみ)とまちがえて、光源氏が義理の娘の寝所へ行ってしまう、というあの滑稽な場面です。ここでも源氏は育ちの良さを発揮し、相手の女性にそれと気づかせません。
こういうやさしさも、光源氏の魅力なのでしょう。そこが千年色あせない物語の魅力でもありますね。当時の女性たちは、さぞ心ときめかて読んだのでしょう。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。ほかにも日々の思いを書いていますので、目を通していただけましたら幸いです。
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