時代劇作家 池波正太郎の愛した一品 根深汁(ねぶかじる)
こんにちは、ゆきばあです。毎日ブログを更新しています。
私は、池波正太郎の「剣客商売」の大ファンなのですが、
読んでいるとその中に「根深汁(ねぶかじる)なるものが出てきます。
どんなものかというと、ふつうにネギの味噌汁です(笑)
ところが作家の手にかかるとこの根深汁、旨そうなのはもちろん、小説の味わいやしみじみとした哀感まで演出してしまっているのです。いやぁ、すごい・・・!
ぜひ、こちらをご覧ください。
時代劇作家の愛した料理 「根深汁(ねぶかじる)」
葱のみそ汁のこと。
出汁に葱の白いところをぶつ切りにして入れ味噌を溶き入れたもの。
池波正太郎「剣客商売」には、親子の剣客が出てきます。
秋山小兵衛、大治郎の親子。
父の小兵衛は齢60で老剣士(?)ながらすぐれた剣の技、見識をそなえた人物。
剣客として知られ、なんと40歳も年の離れた後添えがいる。
この秋山小兵衛も、後添えのおはるさんも、とても魅力的な人物です。
息子の大治郎は年の頃30くらい。
父が見つけてくれた道場で(小兵衞、けっこう過保護パパなのです(^_^;))
大治郎は剣道の師範になります。
けれど、待てど暮らせど、門弟は一人も現れない。
そして、そんなことを思いながら毎晩、近所の百姓の女房が作りおいてくれる
根深汁と麦飯を食べるのです。
根深汁には輪切りにした葱が入っています。
日がたつうちに米も味噌も底をついてきて、大治郎はしみじみとそれを食べます。
(これから、どうしたらいいのだ(汗))
味噌汁に田螺(タニシ)とは・・・
ある日、百姓の女房が、家でたくさん取れたからと、田螺(たにし)汁を作ってくれました。
大治郎はひとくちすすりその味わいに、思わず「うまい」と声をもらしました。
「これまでについぞ[ひとりごと]など、もらしたことのない彼であった……それがおもわず、百姓の女房の味噌汁に舌つづみをうち「うまい」と声にのぼせたのは、よほどうまかったにちがいない。」(「剣客商売」)
田螺は、春になって田の霜の溶けるころよく取れるそうです。
「味噌煮や木の芽和えにしてもよい」と、池波正太郎は書いています。
ほんとかな? そんな料理が本当にあるのかな、と気になります。
江戸時代の人々はみんな田螺を食べていたのでしょうか。
その後の大治郎については、どうぞ「剣客商売」をご覧くださいm(_ _)m
あ、それから、池波氏は根深汁にちょっと鶏皮を入れたものが好きだとか。
これはちょっと試してみたいような、こわいような(笑)
でも、いつかきっとやってみようと思います。
写真はわが家で作った根深汁。
やはり日本の伝統食、ご飯によく合います。
たまには、大治郎の気持ちになって、ご飯と根深汁のみの食事をとり、
しみじみと「うまい!」と叫んでみるのも、いいかもしれませんね。
池波正太郎の愛した料理。
いずれまた、ご紹介しようと思っています。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。
ほかにもいろいろ書いていますので、目を通していただけましたら幸いです。
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