ノベル

  • 2022年09月16日

    グリーンベルト (7)

     私たちはツアー・モービルに乗ってアーリントン墓地に向かっていた。 なだらかな丘の傾斜地に、見渡す限り白い小さな墓石が点々と並んでいた...

  • 2022年09月11日

    グリーンベルト (6)

             ホワイトハウス前の緑の多い公園を足早に横切っていく。銅像の下の片隅に男の人がうずくまっているのが見えた。顔は汚れ人種...

  • 2022年09月06日

    グリーンベルト (5)

     言い出したのは、わたしだったか葉子さんだったか。君江さんでなかったのは確かだ。君江さんは午後は、市内のデパートにショッピング行きたか...

  • 2022年09月02日

    グリーンベルト (4)

     アメリカは人種のるつぼというけれど本当にそうだ。 ワシントンD.C.の市内を3人で歩いていると、日本にいるときよりずっと多くの視線を...

  • 2022年08月29日

    グリーンベルト(3)

     もう、かれこれ30年近く前になる。わたしたちは、ワシントンD.C.のメトロセンター駅から地下鉄に乗った。朝、ホテルの縦長の窓から空を...

  • 2022年08月25日

    グリーンベルト(2)

     こんなおばあさんが、アメリカだなんて変よね。もう30年近く前になるわね。今じゃ、脚が痛んでろくに団地の部屋からも出られないのに。まあ...

  • 2022年08月21日

    グリーンベルト(1)

     うつむいて食べていた女の子がいきなり高い声で叫んだ。妙に気まずい中で食事が進行していたときだった。 「パパ、みっともないわよ。ちゃん...

  • 2022年04月26日

    眠り草 (15)

     思いがけず健司から電話がきたのは、その翌日だった。「おばさん、なぜいってくれなかったの」「なんのこと」「あのことだよ・・・・・・」 ...

  • 2022年04月22日

    眠り草 (14)

     それに、贅沢をさせろといってるんじゃないんです。好きなものに囲まれてつつましく最後を迎えたいといってるだけなんです。そして、もし、あ...

  • 2022年04月17日

    眠り草 (13)

    いよいよその日が来る一週間前に、健司と美咲に手紙を書いた。電話なら簡単なのにと思いながら、なぜか電話で話す気にはならなかった。 そして...

  • 2022年03月17日

    眠り草 (12)

     「今日、来ていただいたのは、あの話がしたかったからなのよ」 聡子はいった。佐々木マネジャーの顔は平静だったが、左が軽く貧乏ゆすりのよ...

  • 2022年03月04日

    眠り草(11)

     ここに来て10日目の朝が来た。聡子はまだだれとも親しくなっていなかった。そのほうが都合がよかった。だれとも親しく話す気にはなれないの...

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