ノベル
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2021年09月04日
午後のサンルーム(3)
その日の午後、恵子と菊江の姿は、食堂横のサンルームにあった。 色の褪めた葡萄色の長いすが広い窓に沿って置かれ、二人の老女は並んで座って...
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2021年08月26日
午後のサンルーム(2)
ここは老人たちの天国でもあり墓場でもあった。彼らは幸せな人々であり、十分生きたという意味で不幸でもあった。 食堂の中は混雑していた...
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2021年06月21日
午後のサンルーム(1)
明る過ぎる陽がベランダに差している。壁にかけた時計を見ると十二時少し前だった。読んでいた本を、小テーブルに伏せて恵子は立ち上がった。...