藩に迷惑をかけたくないと、豆腐の角に頭をぶつけてしんだ恋川春町(岡山天音さん)。最後まで戯作者であり続けようとしたのですね
こんにちは、ゆきばあです。毎日ブログを更新しています。
胸騒ぎしつつ「べらぼう」にチャンネルを回しました。先週予告編で、恋川春町が白装束で刀を腹に当てている映像を見たからです。

田沼意次(渡邊謙さん)が失脚し、松平定信(井上祐貴さん)が老中首座になると、時代は文武奨励、質素倹約が奨励される寛成の改革の時代に。
若くて情熱があり、くそ真面目な定信は、庶民から城中大奥にいたるまで倹約を奨励し、厳しく締めつけます。
皮肉が通じなかった?
「息が詰まるような、おもしろくない世の中」
に反発し、朋誠堂喜三二(尾美としのりさん)は、定信への皮肉をこめて黄表紙『文武二道万石通』を書きあげます。
ところが定信は、皮肉にまったく気づかず(__;)むしろ褒められたと勘違いし、大喜びしました。しかもこの黄表紙は大人気で、市中を売り歩くと、瞬く間に売り切れたそうです。
これではいけない!
なんとか思い知らせないと・・・
そこで、自分が・・・と名乗り出たのが春町でした。
今度こそと、恋川春町(岡山天音さん)が書いたのが『鸚鵡返文武二道」でした。
喜三二の『文武二道万石通』と似た路線でしたが、内容は少々過激でした。
おていさんは心配しましたが、蔦重ほかは大乗り気!
出版されるやいなや、同じく大ヒットしましたが、あまりに批判があからさまだったせいか、定信の激しい怒りを買いました。本の中の愚かな忠臣が、自分を揶揄したものと今度こそ、はっきり理解したのです。
見せしめの意味もあって、耕書堂には奉行所の手が入ったようです。また、春町の本の件で小島藩にも圧力がかかり、まじめ人間の春町としては、強く責任を感じたにちがいありません。

そんな中、喜三二はついに筆を折ることを決意。
耕書堂で送別会がひらかれ、盛り上がります。春町は店の前まできたものの、中までは入りませんでした。すでに心を決めていたのです。
家にこもった春町に、登城するようにと命がきますが、罪を認めれば藩にも迷惑がかかる。そう思ったのか、病気と称して登城しませんでした。
そして、やがて自宅で亡くなります。病死とも、自死とも言われています。
定信の最大の犠牲者 春町?

「べらぼう」では、白装束で切腹する春町の姿が描かれています。腹を切ったあと、なぜか痛みをこらえながら手おけのそばまで這っていき、水をはった手桶の中に頭をつけて息を引き取ります。
そこには一丁の豆腐が・・・。
豆腐の角に頭をぶつけてしにたい
「豆腐の角に頭をぶつけて、死んだことにしたかったんですね!」
亡きがらの頭にこびりついた白いものから、それに気づく蔦重。
ここは思わずぐっときますね 涙
切腹するにしても、最後は戯作者らしく豆腐の角に頭をぶつけて死にたい。
そこに春町の究極の美学を感じます。
それにしても泣けました。

恋川春町の筆名は、小島藩の江戸藩邸が「小石川春日町」にあったことから・・・。
また春町の墓は、新宿御苑近くの成覚寺というお寺さんにあるそうです。ぜひ一度訪れてみたいですね。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございました。ほかにも日々の思いを書いていますので、目を通していただけましたら幸いです。