ノベル
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2023年12月14日
ツグミ団地の人々〈二人の散歩5〉
病院はターミナル駅と直結している。ホームから歩いていくと、いつの間にか病院の受付の前に来ているのだ。 待合室には、多くの老人たちがいた...
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2023年12月10日
ツグミ団地の人々〈二人の散歩4〉
時計の針が八時を指すと、彼らはウォーキングシューズをはいて外へ出る。 今日は月に一度、澄子が病院に行く日に当たっている。彼らは玄関を...
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2023年12月06日
ツグミ団地の人々〈二人の散歩3〉
朝食の途中で彼は台所に行って薬缶を火にかけた。 一時、安全のためにIHヒーターにしたのだが、炎が出ないのが心許なく、また元のガステー...
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2023年12月02日
ツグミ団地の人々〈二人の散歩2〉
夢の中で彼はあの男になりきっていた。「この茶碗はいいだろう」 古い通路を抜けて、暗い展示ケースの前に立つと彼は得意げにいった。そうし...
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2023年11月28日
ツグミ団地の人々〈二人の散歩 1〉
戦前は銀行のホールだったという、円柱の柱の並ぶサロン風の展示室。ビル自体は数年前、高層のものに建て替えられたのだけれど、中にすっぽり...
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2023年11月17日
ツグミ団地の人々 〈レモンパイレディ 16 了〉
それから間もなく妄想がひどくなったということで、誰かが引き取りに来て、そして車でどこかへ行ってしまった。 あの女の子の人形もどうな...
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2023年11月14日
ツグミ団地の人々〈レモンパイレディ15〉
それから僕らは父さんをまん中にして並んで家へ帰ってきた。 エレベーターを降りて歩いていくと、ちょうど僕の家の前に、岡田さんが立ってい...
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2023年11月10日
ツグミ団地の人々〈レモンパイレディ14〉
話しかけようとすると母さんは言った。「し、もう何もいわなくて良いの」そして懸命にプールの縁にしゃがんでいるふたりの話し声を聞き取ろう...
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2023年11月05日
ツグミ団地の人々〈レモンパイレディ13〉
母さんが淹れたコーヒーも何もかも置いて外に出て行ったのは確かだ。 僕はなんだか不吉な予感がした。母さんはムキになると何をやり始めるか...
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2023年11月02日
ツグミ団地の人々〈レモンパイレディ12〉
僕は夢の中で、またくるみを探していた。 くるみ、くるみ。 廊下に出ると、向かいのドアがバタンと開いて、「うちの娘の友達になって」岡田...
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2023年10月28日
ツグミ団地の人々〈レモンパイレディ11〉
今夜も父さんは帰りが遅い。最近いつもそうなのだ。 「きっと仕事が忙しいんでしょう」母さんは壁掛け時計を見上げながらいう。「それとも昇級...
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2023年10月25日
ツグミ団地の人々〈レモンパイレディ 10〉
「やさしい子でね。ほんとうは会社で働けるような子じゃなかった。前の日に就職斡旋会社に行って登録してきたのよ。がんばって必ず探してあげる...