ツグミ団地の人々
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2023年11月05日ツグミ団地の人々〈レモンパイレディ13〉母さんが淹れたコーヒーも何もかも置いて外に出て行ったのは確かだ。 僕はなんだか不吉な予感がした。母さんはムキになると何をやり始めるか... 
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2023年11月02日ツグミ団地の人々〈レモンパイレディ12〉僕は夢の中で、またくるみを探していた。 くるみ、くるみ。 廊下に出ると、向かいのドアがバタンと開いて、「うちの娘の友達になって」岡田... 
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2023年10月28日ツグミ団地の人々〈レモンパイレディ11〉今夜も父さんは帰りが遅い。最近いつもそうなのだ。 「きっと仕事が忙しいんでしょう」母さんは壁掛け時計を見上げながらいう。「それとも昇級... 
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2023年10月25日ツグミ団地の人々〈レモンパイレディ 10〉「やさしい子でね。ほんとうは会社で働けるような子じゃなかった。前の日に就職斡旋会社に行って登録してきたのよ。がんばって必ず探してあげる... 
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2023年10月21日ツグミ団地の人々〈レモンパイレディ9〉掲示板の内容というのはこういうものだった。 『最近、犬や猫を飼っているお宅があるようです。動物の毛が飛んできて迷惑していますので、すぐ... 
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2023年10月16日ツグミ団地の人々〈レモンパイレディ8〉塾の帰りにバス停から家に向かって歩いているときだった。 公園のほうから女の人が出てきた。ずいぶん体の大きな女の人だな、と思いながら見... 
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2023年10月13日ツグミ団地の人々〈レモンパイレディ7〉夕方家に帰ると、くるみの姿が見えないといって、母さんが家中を探していた。「どこにもいないわ。玄関のドアを開けたとき、足下をすり抜けて... 
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2023年10月08日ツグミ団地の人々〈レモンパイレディ6〉母さんはそのころテープ起こしの仕事をしていた。 毎日テープレコーダに耳を近づけるようにしてその音を聴き取っていた。15センチもないよう... 
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2023年10月03日ツグミ団地の人々 〈レモンパイレディ5〉竹中くんの棟は、僕の家のとなりの建物だ。その家には子どもが大勢いて、5人兄弟の一番下が竹中くんなのだ。 クラスにはもうひとり勉強の出... 
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2023年09月28日ツグミ団地の人々 〈レモンパイレディ 4〉学校で竹中くんという友達ができた。おもしろいことをやって見せて、みんなに馬鹿にされてしまうというそういう男の子だった。笑うと情けない... 
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2023年09月24日ツグミ団地の人々 〈レモンパイレディ 3 〉数ヶ月後、僕らはツグミ団地に引っ越してきた。 荷物は当日、大方運び込まれたがそれからが大変だった。夕方過ぎまで僕らは働き続けた。こ... 
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2023年09月20日ツグミ団地の人々 〈レモンパイレディ2 〉第一次世界大戦のおり、アメリカ軍がどこかの国に派兵されていた。従軍記者が国に帰るときに、一人の兵が記者に十ドル紙幣をにぎらせていった... 


